薬のレシートは手書きでもOK!医療費控除の新たな仕組みとは?

レシート会社勤めをしている人は通常確定申告をすることなく、11月頃に配布される年末調整の書類を提出するぐらいだと思います。わたしも社会人になって20年近く。

申告するような収入や控除もないので当然ですが、2017年1月から開始された新制度によって、状況は変わってきています。

キーとなるのは、” セルフメディケーション税制 ” というもの。

今回は、この新制度について調べた結果を書きたいと思います。

薬店で薬を買う機会が多く、1年間のトータル金額が1万2000円を超える人は、確定申告できる(還付される)可能性がありますので、当記事を参考にしていただけますと幸甚です。

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【セルフメディケーション税制】

これはいわゆる「医療費控除」の特例です。

※特例というぐらいですから期限があるわけですが、そのリミットは、

平成33年12月31日までです。

通常、企業に勤めていれば確定申告は不要ですが、あえて申告することで税金が控除される項目というものがいくつかあります。

そのひとつが「医療費控除」。

確定申告の書類でいうと、「18」部分(下図の青枠部)にあたります。
確定申告書類の医療費控除部分

この「所得から差し引かれる金額」部分は、総収入から差し引きできるので、この部分の金額が大きいと言うことは、それだけ課税される金額が少なくて済むということになります。

医療費控除との違い

ポイントとなるのは、このセルフメディケーション制度が開始されても、

今までの医療費控除は、そのまま活きている

ということです。

<医療費控除>

医療費控除は、かかりつけ医に行って診察してもらったり、薬を薬局でもらったりした合計が、10万円を超えた場合、最大10万円までの控除を受けることができます。

※自分と扶養家族含めて10万円です

ですので、逆に言うと年間の合計が10万円に満たない場合は、これまで控除を受けることができませんでした。

しかし、今回のセルフメディケーション税制によりその状況が変わります。

<今回の特例>

今回の特例によって、医者の診察を受けないで、例えばドラッグストアなどの薬店で購入した商品も、対象薬であれば購入費用の所得控除を受けることができるようになりました。

「対象医薬品である」という制限はあります。

が、これまで10万円以上という高いハードルであったのが、かなり下げられたわけですから、より多くの人にメリットがある制度だと言えます。

ただ、いくらでも良いのかというとそういうわけではありません。

数千円レベルで認めてしまうと、確定申告での役所の仕事が煩雑になってしまいます。

申告できるラインは、ズバリ12,000円です。

例えば、1年間に購入した対象医薬品の合計金額が¥12,000円を超えた場合、その超過分の金額が、最大で¥88,000円控除されます。

<例>

対象医薬品の購入が¥50,000円の場合

¥88,000円-¥50,000円=¥38,000円

分が課税所得から控除されます。

セルフメディケーション制度の注意点

今までよりも少ない金額で申告できるなら手間がかかってもやろうという人も出てくるかもしれませんが、注意点があります。

注意点(その1) 現行医療費控除との併用

これはできません。

割引券でも、「他の券との併用は出来ません」という縛りは、よくありますよね。

ただ、合算はOKです。

医者にかかって、支払った医療費や薬局などで薬をもらった金額が10万円を超えていないけど、セルフメディケーションの対象医薬品代を合算すると、10万円を超えるというような場合です。

下図で説明しましょう。

セルフメディケーション税制の説明図

仮に、医療費のみで1年間に10万円を超えなかった場合(赤部分:9万円)は、医療費控除を受けられません。

かと言って、セルフメディケーション税制を受けるにも、金額が5万円(青部分)だから、控除対象額は低くなります。

※88,000円-50,000円=38,000円(控除額)

しかし、前述したように合算できるので、税制対象薬が5万円あった場合、足すと(9万+5万)10万円を超えるので、MAXの医療費控除(10万円)を受けることができます。

ただし、前述したように医療費控除を受けるなら、セルフメディケーション税制による控除はできません。

あくまで医療費控除かセルフメディケーションのどちらか一方ですので、、その点は注意して下さい。

注意点(その2) レシートについて

レシートについては、レジで印刷されたものだけでなく手書きのものでも構いません

ただし下記の5つが記載されたものでないとダメです。

商品名

金額

当該商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨

販売店名

購入日

セルフメディケーション制度が出来た背景には、医者にかからないように「予防」を重要視しているので、医療法の有効成分が含まれた対象医薬品が決められています。

このため、商品名は必ず必要です。

申請時の注意点

この制度は、2017年の頭からスタートしています。

医療費として支出した金額が低くても(10万円未満でも)、確定申告で還付金が増えるかもしれないので非常にありがたい事ではありますが、申請において注意点があります。

<申請の対象者>

誰でも申請できればいいんですけど、なかなかそうはいきません。

対象となる人が決まっています。

「1」を大前提として、「2」のいずれかにあたる人が、このセルフメディケーション税制の対象者となります。

1.所得税及び住民税を納めていること

2.次のいずれかを受けていること

特定健康診断(メタボ診断)

予防接種

定期健康診断

健康診査

がん検診 

この制度自体が、「所得税・住民税」の減税を謡っているわけですから、住民税非課税の人を対象にするとおかしなことになってしまいます。

また、普段から健康に気を付けていない人を現在対象にするほど甘くもありません。

<申請の為の証明>

領収書か結果通知書、もしくは証明依頼書というものを提出することで、健康診断等を受診したことが証明されます。

領収書は原本、結果通知書はコピーでもOK。

証明依頼書と言うのは、厚生労働省のホームページから印刷する必要があります。

メタボ検診受診の証明

領収書か、結果通知書を添付します。

ただし、「特定健康診査」もしくは保険者(健康保険組合)という文字が印字されていないと意味がありません。

書かれていない時は、厚生労働省のページにアクセスして証明依頼書を印刷し、記入してもらう必要があります。

予防接種の証明

これには、高齢者が65歳以上の人が5年に1回受ける「肺炎球菌感染症の定期接種」も含まれます。

領収書か、予防接種済証を添付します。

会社の定期健康診断の証明

定期健康診断は、会社勤めをしている人の場合は、1年に1回実施することが事業主に義務付けられています。

ですので、セルフメディケーションの申告を行う際には、この証明を提出する人が結構多いでしょうか。

こちらは、「定期健康診断」という文字か、会社名もしくは保険者名の印字が結果通知書に書かれていればそのコピーを、記載がなければ前述の「証明依頼書」を書いてもらい提出します。

人間ドックなどの健康診査の証明

この場合は、会社名は保険社者名があれば、領収書か結果通知書、記載がなければ証明依頼書を提出します。

役所が行うがん検診の証明

領収書か、結果通知書を提出します。

【セルフメディケーション導入のきっかけ】

どうして、こういう制度が出きたかわかりますか?

それはズバリ

医療費の抑制

です。

厳しい言い方をすると、「軽い症状であれば医者にかからずにOTC(市販薬)で済まし、自分で生活の改善を図ってね。ちょっとやそっとのことで医者に行くんじゃないよ!」ってことです。

医者にかかれば、われわれ現役世代は、保険証を持って行けば3割負担で済みます。

後期高齢者になれば、高額所得者以外は1割です。

残りは国側が負担する形になるわけですから、医者にかからずに市販薬で、自力で治してもらう方が医療費を抑制できます。

ということで、ひとまず国の支出状況を確認してみました。

厚生労働省の資料で見ると、最新の「2016年」では国民医療費はなんと

40兆8071億円!!

これを国民一人当たりに換算すると、32万1100円!!!

一人あたりですよ、一人!

赤ちゃんから老人まで全て含めての金額がこれです。

因みに性別で見ると、相対的に男性の方が医療費が高い傾向があります。

多分男性の方が不摂生な生活をしているからでしょうね。

特に仕事が忙しくて昼休憩が取れず、まともに昼食をとる時間がないという人も多いからだと推察されます。

運送関係の仕事をしている友人がいますが、昼食の時間はほとんどなく、配達の移動中に車内でおにぎりやパンを1つか2つ食べるだけだと言っていました。

よくよく考えるとわたしも若い頃はそうでした。

接客の仕事でしたが、その頃から人手は常に “不足気味” 。

昼休憩に入っても、10分で食べてすぐに売り場に戻るような状況でした。

一人暮らしであったこともあり、帰阪した時には病的なほど瘦せていたようです。

一般的には結婚生活をしていると、妻が健康管理をしてくれることが多いので食生活は満たされますが、妻に先立たれたりすると男性の食生活は一気に後退しますし、思っている以上に気を付けないといけないですね・・・。

【対象となる医薬品】

少しでも控除されるならありがたい制度ではありますが、では一体どんな医薬品が対象となるのでしょうか。

厚生労働省のホームページを見ると、「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる要指導医薬品・一般用医薬品のうち、「医療用から転用された医薬品」がこれに該当します。

定められた85種類の有効成分が含まれている胃腸薬や風邪薬、肩こりや腰痛の貼付薬などがありますね。

※平成30年10月現在厚生労働省HPより

解熱鎮痛剤や風邪薬など1万品目以上あると言われている市販薬の中で、税制の対象となるのは現在約1500品目(ただし、これは2ヶ月に1回更新されるので数字は変動します)。

平成16年からは前述の85成分を増やすための一般消費者からの公募が行われ、対象OTC医薬品は増加する可能性が高くなっています。

対象リストについては、厚生労働省のホームページを見れば分かりますが、そんなものをいちいち確認するほど、みなさんは暇ではないと思います。

では、どうやって対象品であることを確認できるのでしょうか?

【レシート表示の変化】

全ての薬局で購入する医薬品が対象ではないですが、名の知れた薬局(スギ薬局とかライフォートなどの大手)で医薬品を購入すると、レシートに記載された商品名の前に「●」や「★」などのマークが付いてくるものがあります。

この記事のトップにある画像にもありますが、これが2017年1月1日から適用される「セルフメディケーション税制」の対象品であることの証となります。

もちろんマークだけではなく、セルフメディケーション対象品であることの文言も書かれているので、マークの意味は分かると思います。

ただ、領収書って、あまりマジマジと見ることはないですよね?

なので、気づかない人が大半だと思いますが、レシートは地味に変化しています。

「国がやる事ですから」というと語弊があるかもしれませんが、わたし達の生活にまあまあ影響を与える割には、情報が認識されている感は残念ですね。。。

【まとめ】

具体的にどの商品が対象になるかは、種類が1500種類近くもあるので、いちいち覚えてられません。

ただ、対象商品には下記のようなマークが付いていることが多いので、それで見分ける方法もあります。

セルフメディケーション対象マーク

セルフメディケーション自体は、世界保健機関(WHO)において、こんな定義がされています。

自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること

今回日本も、財政的な厳しさに対する指摘を避けるように、世界的流れに合わせただけという感じで導入しているように思うのはわたしだけではないと思います。

とはいえ、借金大国と言われており(本当はどうなのかわかりませんが)、超高齢化がますます進む日本で、こういう「自己責任論」は避けて通れないんでしょうね。

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