運転免許の自主返納は進んでいる?現実の返納率と意外なサービス

自家用車

普段と違う状況になるとパニックになって、通常であれば問題なく出来る行動ができなくなるというのはよくある事です。その中で、最近特に気になるのは高齢者ドライバーの事故。

持病によるものは別として、アクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故が、連日のようにテレビで報道されている事に心を痛めておられる方も多いと思います。

高齢者にとって「車」は生活するうえでなくてはならないものではありますが、「運転免許の自主返納」というのは、実際どこまですすんでいるものなのでしょうか?

今回は、運転免許の返納状況と、返納後のサービスについて書きたいと思います。

高齢の親を持つ方は、是非ご一読ください。

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【運転免許の返納はどのくらい進んでいる?】

普通自動車運転免許を持っていれば、2トン未満の車だけでなく(2トン車以上は準中型免許が必要)、乗る乗らないにかかわらず原付や小型特殊にも乗ることが可能です。

免許返納というと、全てを失うイメージがあるかもしれませんが、実は一部返納ということもできます

特に田舎など移動手段が限られている地域においては、せめて原付だけは・・・という人もいると思います。

年を取るとちょっとした距離も足が痛くて行けなくなりますからね。

そんな人は、一部返納することで原付に乗る免許は残すことができるのです。

まあ、バイクは車よりも自分の身に降りかかる危険度は増しますが、他人を巻き込む事故という意味では影響を小さくする事ができます。

いきなり全てを返納する前に、一部というのも選択肢としてはアリかなと思います。

さて、本題ですが、下表は平成30年発表の運転経歴証明書交付件数の年別推移です。

運転経歴証明書は、運転免許を返納し申請する事で交付される証明書であり、平成24年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に変わる公的証明として使用することができます。

「申請しないと交付されない」という意味では、純粋な返納件数ではありませんが、一定の傾向はわかると思います。

※警察庁 運転免許統計平成30年版より一部抜粋

年別 運転経歴証明書交付件数 前年度比
21年 23,048
22年 25,771 111.8%
23年 29,202 113.3%
24年 81,711 279.8%
25年 107,268 131.3%
26年 168,557 157.1%
27年 236,586 140.4%
28年 295,523 124.9%
29年 366,696 124.1%
30年 358,740 97.8%

前述したのように、平成24年4月以降に公的証明として使用できるという事が話題になったこともあり、その年は一気に返納が進んでいるのがわかります。

しかし、それ以降は、あまり返納が進んでいないような傾向です。

因みに年齢別に、前年からの増加数でみるとこんな感じ。

年別 65歳~ 70歳~ 75歳~ 80歳~ 85歳~
21年
22年 2,613 1,842 108 53 88
23年 3,251 3,047 2,361 2,174 1,319
24年 49,339 44,819 28,865 13,374 5,046
25年 24,588 23,743 21,889 12,563 2,553
26年 57,247 44,384 7,810 7,569 3,168
27年 64,045 51,697 22,984 13,750 5,726
28年 56,760 45,112 35,446 25,508 10,790
29年 69,923 70,936 81,424 46,195 21,971
30年 -4,046 13,179 31,574 21,034 3,040

上記各年齢別の免許保有者数は、

65歳以上 7,337,914

70歳以上 5,658,642

75歳以上 3,373,202

80歳以上 1,650,344

85歳以上 614,773

なので、30年の返納率は概算で、

65歳以上 4.7%

70歳以上 5.6%

75歳以上 7.3%

80歳以上 9.0%

85歳以上 9.0%

となります。

85歳以上でも、10人に1人ぐらいの割合でしか、免許を返納していないんですね。

都市部は地方よりも返納が進んでいるとはいえ、全体で見るとなかなか進んでいないのが実情でしょうか。

【道路交通法の改正】

昨今の高齢ドライバーの事故増加を背景に、道路交通法も改正されています。

※記事作成時点での最新の改正は、2017年の3月

内容は ” 準中型免許 ” という新しい区分の運転免許ができたことの他、高齢者ドライバー事故防止のための対策が挙げられます。

” 高齢者 ” と呼ばれる人が何歳からを指すのかについての議論もされていますが、今回の改正における対象者は75歳以上の方々。

今回の改正により下記「18の違反」があった75歳以上の運転者には、臨時に認知機能検査を受けなければならなくなりました。

『認知機能検査』を受けないといけない違反項目

信号無視

通行禁止違反

→一方通行の逆走なんかが該当

通行区分違反

→車線に書かれている右折や左折のマークに従わずに進むこと。

右折専用の車線なのに直進するなどがこれにあたります。

交差点右折左折方法違反

→これはバイクなどでよくあるものです。

バイクは右折する時(片側1車線の場合)は、通常道路の内側に位置して右折すると思いますが、道路の外側から強引に右折するなどがこれにあたります。

左折に関してはこの逆。

横断等禁止違反

進路変更禁止違反

→交差点付近ではのオレンジや黄色の車線区分があります。

これを跨ぐことは、他車の進行を禁止することになるので違反になります。

しゃ断踏切立ち入り等

指定通行区分違反

→右折専用レーンで直進するなどがこれにあたります。

下図で言うと右折専用車線にいるのに直進した場合などですね。
指定通行区分違反の例

環状交差点左折等方法違反

→あまりない道路ですが、環状交差点というものがあります。下のような感じの道路ですね。下図の場合、Aから走行してきた車は、交差点手前から左側によって徐行し、侵入してからは側端に沿って徐行しないといけないと定められています(平成26年9月1日施行)
環状交差点左折等方法違反の例

優先道路通行車妨害等

→優先道路というのは交通整理の特にされていない交差している道路で、明らかに片側の道路の幅員が広い(もしくは狭い)という道路です。基本的には幅員が大きい道路が優先ですが、車両だけでなく歩行者にも気を付けないといけません。

交差点優先車妨害

環状交差点通行車妨害等

→ここでいう ” 通行車 ” とは自転車・バイクも含みます

横断歩道等における横断歩行者等妨害等

横断歩道のない交差点における横断歩行者等妨害等

徐行場所違反

指定場所一時不停止違反

合図不履行

→これは方向指示器を出さずに曲がったり、無灯火などが該当します。道路交通法52条では、車両等は夜間(日没から日の出まで)において、前照灯、車幅灯、尾灯を付けないといけないと定められています。但し、他の車両等の妨げになる場合は消さないといけないのでご注意を。

安全運転義務違反

→具体的にはハンドルやブレーキ、その他の機器を確実に操作して道路状況に合わせて他車・他人に危害を加えることのないように運転することです(道路交通法70条)。

検査の結果、認知機能の低下による安全義務が果たせないと判断された場合は、次の段階として「臨時高齢者講習」を受けることになります(計2時間、手数料も5,800円かかります)。

もし、認知症の恐れがあると判断された場合は、医師による臨時適性検査を別途受け、診断書により認知症であると判断された場合は、免許証の取り消しとなります。

因みに今回の改正は、上の18項目のいずれかの違反に対するものだけではなく、免許更新の際にも認知機能検査を行い、同じように判断されるようになっています(講習時間や手数料は異なります)。
※75歳未満の免許更新時は通常「高齢者講習」だけで、認知機能検査はありません。

【返納後のお得サービス】

運転免許を返納することはネガティブなイメージがあるかもしれませんが、自治体や企業によってさまざまなお得サービスを受けることができ、決して悪い事ばかりではありません。

運転経歴証明書

免許を自主返納した場合は、運転経歴証明書を交付してもらえます。

運転経歴証明書サンプル

ただし、運転免許の有効期限内に免許を返納し、その日から5年以内でないと発行してもらえないので注意が必要です。

運転経歴証明書は写真が付いているところといい、記載内容と言い、ほぼ運転免許証と変わりません。

顔写真が付いているので公的な身分証として使うことができます。

因みに、申請には下記のものが必要です。

①過去6カ月以内に撮影した写真(2.4cm×3cm)が1枚

②住民票の写し又は健康保険証など住所・氏名・生年月日を確認できるもの
(但し、返納と同時に申請する場合は不要)

③手数料1,100円

顔写真付きの公的証明というとマイナンバーカードが今後有力ですが、発行時のトラブルから今は普及している感じが全くありません。

義務付けられるのはまだ先と考えられるので、それまでの代替証明としても運転経歴証明書は役立ちます。

タクシー料金の割引

一部地域では、この運転経歴証明書を提示することでタクシーの乗車料金を割り引いてくれるサービスがあります。

全国全てのタクシー会社がやっているわけではないですが、提示することで乗車料金が1割引になりところが多くあります。

大阪の場合は下記タクシー会社が1割引を実施しています。

・国際興業大阪

・ナニワ交通

・ふれ愛交通

・相互タクシー

・大阪相互タクシー

・日本タクシー

・都島自動車商会

・都島交通

・大阪第一交通グループ

日常生活におけるサービス

大阪の場合は、記事作成時点で様々な特典を受けることができることがわかりました。

地域により異なりますが、飲食代金の10%引きやワンドリンクサービスなど、いろいろな飲食店でお得なサービスを受けることができます。

勿論飲食だけではありません。

例えば高齢になってくると必要になる眼鏡や補聴器、薬の購入などにおいても5~10%程度も割り引いてくれる店舗があります。

掲載店は全部で700ほどもあり、日常生活において利用できるお店がたくさんあります。

自治体によっては、このほかにもバス料金の値引きもあるので、お住まいの自治体に確認してみてください。

【まとめ】

前になりますが、とある自治体で画期的な相互扶助サービスが紹介されていました。

どういうものかというと、高齢者のお手伝い(買い物や掃除など)をすることでポイントが溜まり、そのポイントが貯まった人が将来優先的に、他の人から同じようにお手伝いを受けることができるという仕組みです。

地域の関わりが希薄になっている今の時代でも一定の効果をあげているようでしたし、ちょっと病院へ、買い物へといったことを相互扶助できれば地域のつながりも生まれ、自主返納も進むのでは?と思います。

事故を起こすと、自分だけでなく家族にも影響が出ます。

返納することで、意外にサービスを受ける事もできるので、高齢の方(高齢の親を持つ方)は、一度考えてみてはいかがでしょうか。

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