ピクトグラムの世界。世界共通ではない絵文字について調べてみた

非常口のピクトグラム

訪日外国人の数は年々増加しています。わたしは大阪に住んでいますが、ミナミ(なんば)に行くと、わかりづらい統計の数字も実感。特に日本人観光客の間でも、大阪で有名な「ひっかけ橋(グリコの看板がある所)」なんかに行くと、聞こえてくる言葉は殆どが外国語だったりします。

大袈裟ではなく、まるで自分が外国に来たような錯覚をするほどです。

これだけ外国人が増えてくると、当然外国人にも理解できる案内表示というものが必要になってくるのは必然。

しかし、街中にある様々な案内表示を、多くの外国人は、どこまで理解できているのでしょうか。

今回は、公共のいろいろな場所にある案内表示について、自分がどこまで理解できているかも含め調べた内容を書きたいと思います。

興味のある方は、ご一読ください。

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【ピクトグラムとは?】

殆どの外国人が、最初に日本の地に足を下ろすのは空港です(最近は、豪華客船での来日も多いかもしれませんが)。

空港は、昔から日本語の他に英語表示がされていましたが、最近はアジアの国々からも多くの外国人が来ることから、中国語や韓国語表記も増えてきています。

※ベスト3は、韓国・中国・台湾です。

また多くの方が通勤で使用する地下鉄などでも、今では表記だけではなく音声での案内も多言語化されており ” おもてなし ” の幅が広がってきています。

しかし、世界には200近い国があり、共通語である英語は比較的通じるとしても、すべの国の人向けの表記・音声案内は現実問題として不可能。

では、そんな人たちにはどういう形で情報を理解してもらえばよいのでしょうか?

できるだけ直感的に理解できるものが必要ですが、その一つとして考え出されたのが、何を隠そう絵文字である” ピクトグラム ” なのです。

ピクトグラムは、一つの絵で情報を発信する究極の案内表示。

文字というのは表示上どうしてもスペースを取るので、公共の場の限られたスペースでは、なかなか表示しにくいという問題があります。

文章で書くとわかりづらいけど絵で見るとわかりやすいという「百聞は一見に如かず」という諺にもある通り、絵で表現することはメリットが多いのです。

ピクトグラムの歴史

絵で表現する人間の知恵は、旧石器時代(約200万年前)まで遡ります。

この時代に残されている絵というのは、人に何かを伝えるというよりも信仰の対象として書かれていた可能性があります。

が、それでも現在の文字の基礎が、何百万年も前に登場していたというのは驚きですね。

その後、狩猟・採集の生活から後世に引き継ぐ手段として簡易な絵文字が生まれ、更に象形文字・楔形(くさびがた)文字へと変化していきます。

ロゼッタ・ストーンという名前は聞いたことがありでしょうか?

あの石板には象形文字や楔形文字の他、ギリシャ文字も織り交ぜて彫られており、簡易な絵文字から現代の文字への変化を感じることができます。

このように絵文字は、文字の前身として誕生し、現在の文字へと進化してきたわけですが、一方で日本ではシンボルとしても使われてきました。

典型的なのが、戦国時代に各大名が一族を表すために用いた「家紋」です。

徳川家康の ” 葵の御紋 ” や毛利元就の紋などは、一度は見た事があるのではないでしょうか。

例.毛利家の御紋
毛利家の家紋

更に時代は流れ、絵文字はやがて町人の世界にも広がります。

昔は今と違い、ほとんどの人が自営業。

大阪では職人毎の街が存在しましたが、今でも地名が残っている地域があります。

例えば、瓦を作る職人が多い「瓦町」、糸関係の職人が多く住む「糸屋町」。

これらの自営業者は、何屋かわかるように看板には絵文字を使っていたようです。

因みに海外では、日本よりも絵文字文化が進んでいました。

日本は島国でかつては鎖国をしていたこともあり、他の人種が行き来する機会は多くありませんでしたが、ヨーロッパは地続き。

鉄道や道路などの交通網が発達するにつれて、異なる言語を話す人が理解できる絵文字が必要だったんでしょうね。

1968年には、国際連合で「道路標識および信号に関する条約」が生まれ、日本もそれに従い日本独自の標識が誕生しています。

ところで日本の道路標識は、形が複数あることにお気づきでしょうか?

日本の道路標識の形は3パターン?

調べて分かったのですが、標識には3パターンの形があります

そして、これは前述の条約の中で識別することが定められていることに起因します。

その3パターンを具体的に見て行きましょう。

パターン1:警戒

「警戒」については、三角形の赤枠標識にすることとされています。

徐行の標識一時停止の標識

徐行      一時停止

パターン2:規制

「規制」は、丸い赤枠標識にすることとされています。
二輪の自動車以外の自動車通行止めの標識転回禁止の標識
二輪の自動車以外の  転回禁止
自動車通行止め

パターン3:案内

「案内」については、四角形で青字か白字にする事とされています。

※下図は国土交通省HPより抜粋
方面と方向の予告の標識

方面と方向の予告

斜線が入っている道路標識は、禁止的意味合いが強いという事を理解している人は多いと思います。

が、標識そのものの形に意味合いがある事を知っている人は、そう多くはないのではないでしょうか?

公共交通機関のピクトグラム

ここでひとつ、実際の公共交通機関である電車の駅には、どんな感じの絵文字(ピクトグラム)があるのか確認してみましょう。

これはまあ、恐らく誰でもわかるとは思います。

エスカレータ(上り)ーのピクトグラム

矢印の向きから、エスカレータの上りですね。

エスカレータがない国の人はそもそも日本にやって来ることもないでしょうから、これは万国共通、誰でも認識できるピクトグラムと言えますね。

ではこれらはどうでしょうか。

駅案内板のピクトグラム

「1」は、直感的に電車の駅だとわかります。

まあ、ピクトグラムの横に英語・中国語・韓国語でわかるように書かれていますからわかって当然です。

しかし、「2」や「3」はわかりますか?

どちらも敢えて、ピクトグラムの右に説明されている文字部分を隠していますが、この絵文字だけで認識できるでしょうか?

まあ、隠さなくても英語・中国語・韓国語以外の説明はないわけですから、それ以外の言語を使っている国の人には皆目わからないわけですが。。。

というか、日本人であるわたしも文字がなければ正直わかりません。

正解はというと・・・

2 → 切符売り場

3 → 定期券売り場

「3」なんて、人が対面している絵文字なので、インフォメーションのようにも取られかねません。

でもインフォメーションは、ピクトグラム的にはコレ↓なんです。

情報コーナーのピクトグラム

Informationの「i」ですね。

ただ、同じインフォメーションとして、こんなパターンも同じ駅に表示がありました。

案内所のピクトグラム

どちらも ” Information ” という文字が見えるのでややこしいですが、実は、

JIS(日本工業規格)上では異なります

「i」のマークは情報コーナーで、「?」のマークは案内所なのです。

う~ん、わかりづらい・・・。

公共の駅でさえ、こんな状況です。

わたしたち日本人は、日本語で理解しているのでピクトグラムはあまり意識していないかもしれませんが、外国人にはどこまで理解されているでしょうか。。。

【まとめ】

2020年のオリンピックに向けて、訪日外国人の数はますます増えていきます。

ピクトグラムも、外国人に理解できるように変更がされてくると思いますが、是非国際的にも共通認識されるようなピクトグラムができてほしいものです。

※現に温泉マークは、3本の湯気が立ち上る表示でしたが、「人間」が追加されるようになりました。

<補足>

因みに、この記事の先頭にある非常口のピクトグラム。

あれは日本人が考えたものが国際的に採用されており、世界どこに行っても非常口の表示は同じになっているようですよ。

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