親の死後やらなければいけない手続きが想像以上に多い件

様々な手続きの種類

誰にでもいずれは訪れる「親の死」という現実。悲しみのあまり何も手につかないという気持ちになる事もあると思いますが、その気持ちに蓋をして手続きをいろいろ進めないといけないのも、これまた現実です。

今回は「親の死」に関し、一般的に必要になるであろう、『事前にやっておくべき事と』、『事後家族がやるべき手続き』についてまとめたいと思います。

【今回の想定】

故人(夫)は65歳以上の年金受給者(現役時はサラリーマンとして働く)

配偶者(妻)は健在

子供あり

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【親が亡くなる前にやる事】

本題に入る前に、大切な「亡くなる前にやっておいた方が良い事」について書きたいと思います。

「死」というのは、非常にデリケートな問題であるが故に、生前は特に話題にし難い面があります。

が、臨終が近いかもと感じたら、できるだけ早めに動く事が大切です。

この際やるべき事は葬儀屋さんの選定

「縁起でもない!」と言われる方もいると思いますが、リアルに、亡くなった後は時間的余裕がないと聞きます。

時間がある時に、一度葬儀屋さんを訪れる事をお勧めします。

葬儀費用の相見積もりを取っておく

亡くなった後に急いでやらなければならないのは、寝台車の手配です。

最近は病院で亡くなる方が多いようですが、病院としてやってくれるのは、身なりを整えて綺麗にしてくれるところまで。

これには数十分かかると思われますが、この間に寝台車を手配する必要があります。

この寝台車の手配は「葬儀屋さんの選定」でもあり、これは当然ですが身内が行わなければなりません。

病院に出入りしている業者もあり、それらが悪いとは言いませんが、葬儀関係の費用は総じて非常にわかりにくく高額になりがち。

特に、一番費用がかかるであろう祭壇費は業者によって結構変わります。

時間的な余裕がなく、手っ取り早い業者を選ぶことで、思わぬ出費になることもあり得るのです。

このため、事前に複数社に対して見積もりを取っておくことが重要です。

補足:葬儀の基本費用

あくまで一般的なお話になりますが、葬儀にかかる費用にはこのようなものがあります。

●祭壇費(お花代)

●供花(「親族一同」などと書いた祭壇の脇を固めるお花)

●遺影(L判サイズのものから作成可能)

●ドライアイス

●棺

●本骨箱・胴骨箱

●寝台車

●霊柩車

●マイクロバス(告別式上~斎場までの移動)

●会館使用料

●祭壇果物

●飲食費(通夜・告別式)

ざっと、挙げただけでもこれだけのものが最低必要になってきます。

※少なくとも100万円以上は覚悟してください

因みにですが、祭壇費と棺は、あまりケチらない方が良いと思います。

会社関係の方も来てもらう予定ならなおさら。

式場はある程度の人数でも対応できるような広さなので、お花が少ないと寂しく見えます。

棺もそう。

最終は火葬されてなくなるわけですが、目に触れるものですので、ある程度の見栄えは必要だろうと思います。

これに、墓地代・墓石代を含めると、200~300万円といったところでしょうか。

葬儀場の場所を考慮する

時間帯にもよりますが、寝台車でご遺体が運ばれると、通常は翌日がお通夜、翌々日が告別式になります。

最近は家族葬が増えており、焼香に来られる方も少なくなっている傾向があるようですが、それでも十数名は来られるでしょう。

車で来られる方ばかりではない上、年配の方が来られる事も考慮すると、場所選びは結構重要です。

基本的には、故人の住所に近い葬儀場を選ぶと思いますが(何かと故人の好きだったものを棺に入れるとか行き来することが多いので)、駅から近い所が良いと思います。

そういう意味でいうと、やはり大手でしょうか。

大手は資金力があるので、駅前の立地が良いところに構えています。

有名なところでは公益社とか良いかもしれませんね。

【親が亡くなった後にやること】

故人が戸籍の筆頭者(大体は父親)だったりすると、手続き的なものが結構大変です。

※筆頭者とは、戸籍の先頭に書かれている人

なんせ、ありとあらゆるものを変更(名義や口座など)しないといけなくなるので。

因みに、一般的に必要となる手続きには以下のものがあります。

1.世帯主の変更(必要な場合)

2.健康保険の資格停止

3.介護保険の資格停止

4.未支給の年金

5.遺族年金の請求

6.介護保険料の還付

7.葬祭費の請求

8.各種引き落とし口座の振替(必要な場合)

.保険の名義変更

10.不動産の所有権移転登記(別記事で作成)

特に「1」~「3」は、死後2週間が期限となっているので、速やかに行う必要があります。

未支給の年金

老齢年金の受給者は、2ヵ月毎(偶数月の15日)に決まった口座に年金が振り込まれます。

例えば、4月に支給されるのは、前2ヶ月分(2月分と3月分)ということですね。

因みに老齢年金は、亡くなった月の分も貰えるので、どのタイミングにおいても、未受領の年金は発生することになります。

※5月に亡くなった場合は、4月分と5月分

この未支給の年金は、当然ですが役所に行って手続きが必要となります。

但し、ココには受領における条件が!

それは、故人が亡くなった時に生計を同じくしている必要があるという事。

つまり、いくら法定相続人(配偶者・子供・父母・祖父母・兄弟姉妹)であっても、生計を同じくしていなければ手続きが出来ません。

生計を同じくしているとは・・・

「生計を同じくしている」という条件をクリアする要件は、「生計同一要件」を満たしているかどうかで判断されます。

そして、この要件に必要なパターンには以下の4つがあります。

故人と同じ住民票上にいる

故人と同じ住民票上にいるが、世帯が異なる(世帯分離をしている場合)

故人と異なる住民票だが、日常生活を共にし家計も同一

離れた場所で暮らしている(単身赴任等)が、定期的な音信や仕送りをしている

こららのいずれかに該当していることで、未収の年金を受け取る事ができます。

遺族年金の請求

国民年金又は、厚生年金保険者が亡くなった場合、その人によって生計を維持されていた遺族は、遺族年金を請求することができます。

※夫に先立たれた妻や、結婚していない子など

前者の場合は「遺族基礎年金」、後者の場合は「遺族厚生年金」という形で支給されますが、手続きには、下記のものが必要になってきます。

.年金手帳(故人・請求者)

.年金証書(故人)

.戸籍謄本(夫婦の証明ができるもの)

.住民票(故人が世帯主だった場合、住民異動届で世帯主の変更をしたもの)

.住民票の除票(故人)

.所得証明書・課税証明書(前年度分)

.死亡診断書(コピー可)

.認印

.預金通帳など(請求者名義)

.マイナンバーカード(請求者)

※「ウ」、「エ」、「オ」、「カ」については、原本

特に戸籍謄本や住民票、住民票の除票、死亡診断書は、手続き上何かと必要になるので、原本を複数枚コピーしておく事をお勧めします

介護保険料の還付

会社員の場合、40歳を超えると給料から介護保険料が天引きされますが、この介護保険料は退職した後も死ぬまで払い続けるもの。

通常、年金者であっても社会保険料(国民健康保険料)を支払っていますが、1年間の年金の総額が18万円以上の「特別徴収者」の場合、年金の定期払い(年6回)の際に、この介護保険料が徴収されます。

※18万円未満の方(普通徴収者)の場合は、納付書または口座振替で徴収

特別徴収の場合は「前年度支払った介護保険料」、普通徴収の場合は「前年度の市町村民税」を基準に額が決まりますが、保険料は年金と違って先払いなので、亡くなった時には先払いした分を還付してもらえるのです。

※例えば、5月に亡くなった場合は、直前の年金の支給月(4月)に、4月・5月分の介護保険料を天引きされているので、この2か月分が還付されます。

因みに、この権利は5年で消滅します。

<補足:介護保険料>

介護保険料は、全国一律ではありません。

住んでいる地域に、要介護者が多いかどうかによっても変わってくるのです。

第1号被保険者

65歳以上の方は、この部類に入ります。

保険料は、各市町村の「介護保険事業計画」の予算の21%が、第1号被保険者の介護保険料の総額として、それを人数(第1号被験者の数)で割った金額となります。

※保険料は、3年ごとに変わります。

第2号被保険者

40歳以上64歳までの方で医療保険に加入している方が、この部類になります。

保険料は、全国の介護保険サービスにかかる費用見込みから、一人当たりの負担額を国が決定。

これに、健保などの医療保険者が、加入する第2号被保険者数を掛けた金額を基準として算定します。

※保険料は、毎年変わります。

葬祭費の請求

国民健康保険に加入している人が亡くなった場合に、葬祭費というもの(5万円)が支給されます。

この手続きは、やらない限りはもらえません

※協会けんぽに加入している場合は「埋葬費」となります

但し、告別式を行っている事が必要です

まあ通常は行うと思うので、そういう意味で全員もらうことができるお金ですね。

因みに、この葬祭費の請求には、注意点が3点あります。

1.喪主の名前で領収書を切り、「但書き」に故人の葬儀費用であると書かれている事

※葬儀屋さんは、この辺りは理解しているので大丈夫かと思いますが。。。

2.喪主が窓口へ行って申請する事

3.交通事故で死亡している場合は、支給されない場合がある

4.健康保険証がいる

特に「」は、注意が必要です。

亡くなった場合、前述の【亡くなった後に行うこと】の「2」で、「健康保険証の資格停止」を挙げましたが、葬祭費の申請前に保険証を返却してしまうと申請時に困ります。

役所の人は、葬祭費の事は理解していると思いますが、気の利かない職員だと、健康保険証が必要となる事を伝えてくれないこともあり得るので気を付けてください。

因みに、この権利は2年で消滅します。

各種引き落とし口座の振替

電気やガス、水道など日常生活をする上で必要なインフラは、大体1つの口座から引き落としにしている事が多いでしょうか。

故人に配偶者がいる場合は、旦那さん(筆頭者)の名前で契約し、同じく旦那さんの通帳から引き落としをしているパターンが多いと思われますので、その方が亡くなると、全ての契約者と口座を変更しないといけません。

よく、亡くなると口座が凍結されるのでは?

と、心配される方が居るかもしれませんが、自分から金融機関に伝えない限りは凍結される事は通常ありません。

理由は、

役所に死亡届が出されても、その情報は金融機関とは繋がっていないから

です。

つまり、「知り得ない」ので、凍結もされないという訳です。

ですので、契約者の変更はせずに、口座の振替だけする人もいるようです。

亡くなったとなると、それを証明する書類(謄本等)が必要になるので面倒なんでしょうね。

ただ、契約者が亡くなっているのに、そのままにするのはいかがなものかですが。。。

保険の名義変更

ここで挙げている「保険」というのは、火災保険や地震保険を指します。

確定申告時に掛け金が控除の対象となっているこれらの保険は、本来「住宅ありき」のもの。

契約者が不動産の所有者で、その者が亡くなった場合には、所有権の移転登記(名義変更)をすることにより、契約内容の変更が必要です。

これ、意外と忘れがちなので注意してくださいね。

保険の場合、「契約者と保険の受取人が同じ」という場合が多いので、故人が契約者・受取人になっている時は、両方変更するようにしましょう。

手元にある契約内容をよく確認することが必要です。

因みに、名義変更しないまま放置して火災にあった場合、保障はされるのか?

という質問がネット上でも散見されますが、結論から言って大丈夫のようです。

契約そのものに不備があるわけではないとの理由で。

とは言え、死んだものが契約者・受取人になったままにしておくと、支払時にスムーズに支払いがされない事にもなりかねないので、不動産の名義変更後に手続きしておきましょう。

【まとめ】

いかがでしょうか。

これ以外にも必要となる手続きは、それぞれの家庭の環境により増えてきます。

※証券を持っている、車を所有しているなど

想像以上に多い「親の死後の手続き」は、老親を抱える人には誰でも訪れる事ですので、事前に把握しておくようにしましょう。

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