タクシーの迎車メーター。鍵を握るのは国が認めているスリップ制

taxi

昔の規制緩和の影響もあり、都心部においてはタクシーは街中に溢れています。とは言え、必要な時にないのがタクシー。例えば、悪天候のときや夜中で公共交通機関が動いていない時などは、需要が爆発し、手を挙げても止まってくれません。

そんな時は、タクシー会社や配車センターに電話したり、配車アプリで依頼することになりますが、実はタクシーを呼ぶ(依頼する)ことで、+αの料金がかかることがあるという事を、みなさんはご存知でしょうか?

勿論すべてのタクシー会社がそうではありませんが、多くのタクシー会社で、この+αの料金がかかってきます。

それが今回の記事で謡っている

迎車メーター

通称「お迎えメーター」です。

今回は、お迎えをお願いしたときにかかるメーター(迎車メーター)について書きたいと思います。

タクシーをよく利用する人は、ご一読いただければ幸甚です。

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【タクシーのメーター表示】

まずはタクシーの表示メーターについて。

みなさんは、タクシーの助手席側に表示されている「メーター」の表示を気にしたことはあるでしょうか。

これは表示灯と呼ばれています。

こんなやつですね。

タクシーの表示灯

このメーターは、状況に応じて様々な表示に代わるのですが、結構いろいろ種類があります。

本題に入る前に、まずは一通りご覧ください。

■空車(くうしゃ)

表示灯の種類(空車)

お客さんを乗せることができる状態なので、手を挙げれば基本的には止まってくれます

天井の行灯(会社のロゴなど)も点いた状態になっているので、昼間はわかりにくいですが、夜などは遠くても空車である事の目印になります。

ただ、『基本的に』と前述したとおり、止まってくれない場合もあります。

1つ目は、縄張りの問題。

タクシー会社にはそれぞれ『縄張り』というか、『営業地域』なるものが存在します(会社のホームページを見るとそのあたりは書いているところが多いです)。

タクシー会社は営業地域外で営業することはできないので、場合によっては「空車」であっても止まってくれない時があります。

難しい言い方をすると、これを引受の拒絶といいます。

これは乗車拒否とは異なりますので、止まらないことに怒ってはいけません。

それがルールですので。。。

<補足>

営業地域外であっても、お客さんを乗せることが出来る場合があります。

それは、

営業エリア内へお客さんを乗せ返る場合

です。

例えば、大阪のタクシーが兵庫県の「とある場所」にお客さんを運び、帰りに兵庫県内(営業地域外)でお客さんを乗せ、行先が大阪(営業地域内)である場合です。

この場合は、乗せる場所は営業エリア外(この場合兵庫県)ですが、降りる場所(行先)が営業エリア内(大阪)なので乗せることが出来るのです。

つ目は、会社依頼

ドライバーの多くは、いわゆる「流し」で、手を挙げたお客さんを乗せて営業しています。

しかし、個人営業でない会社所属の(会社の看板を背負っている)ドライバーは、会社の指示にも従う必要が当然あります。

タクシー会社には、配車依頼の電話が入ったり、直接お客さんが来ることもあるので、配車場所に向かわせる、又は会社に戻らせる指示を出します。

この場合は、この指示に従わざるを得ません。

もちろん、目の前に手を挙げているお客さんがいることを目視で着た場合は、お客さんを優先しますが、タイミングの問題で、表示灯は「空車」であっても、乗せられない場合もあるようです。

■賃走

表示灯の種類(賃送)

お客さんが乗っている状態です。

目的地にはまだ着いていない状態ですので、当然ですが手を挙げても止まりません。

因みに ” 賃送 ” の時は、タクシーの天井についている行灯は消えます。

メーターの表示は、遠くの方では確認できないですが、行灯が点灯しているかどうかはわかるので、そこでお客さんが乗っている車かどうかはわかるわけですね。

■支払

表示灯の種類(支払)

お客さんが料金を支払い中です。

間もなく空車に変わるので乗ることができる可能性大。

ただ、空車になるタイミングはわかりません。

たまに、「支払メーター」のままで走っているタクシーを見かけたことありませんか?

あれは場所がわからなくてウロウロしている事が考えられます。

場所もわからず走り回ると、それだけで距離メーターが上がってしまいますからね。

「支払」にすれば、それ以上走っても料金が上がることはないですから、料金面でのトラブルを避けることができます。

まあ、いずれにしても近々空車になる可能性を秘めた状態ということです。

■迎車

表示灯の種類(迎車)

お客さんからタクシー会社、又は配車センターに依頼があり、お客様の指定先に向かっている状態です。

手を挙げても止まりません。

ところで、みなさんの中には、この「迎車」という表示を街中では見たことがないという人がいるかもしれません。

それもそのはず。

タクシー会社にもよりますが、迎車による売り上げは、いわゆる街中で手を挙げているお客さんを拾う「流し」に比べて小さい傾向にあるからです。

そのため、全体からみると圧倒的に見かける頻度は少ないと言えます。

<補足 : 「予約」表示>

予約となっている表示灯をたまに見かけます。

あれは迎車先に行くときに時間指定アリで行っているというもので、基本的に迎車と変わりません。

この表示も乗ることはできません。

■割増

表示灯の種類(割増)

23時~翌朝5時までの間に乗車すると、割増料金がかかります。

割増額は、2割です。

これは意外と知らない人も多いかもしれません。

当然ですが、いちいち「今の時間帯は割増料金がかかりますよ」なんて、親切に教えてくれるドライバーさんはいないですから。

それにしても、公共の乗り物として定着している割には、サービスが悪い(料金が高い)ですよね、日本のタクシーは。

■回送

表示灯の種類(回送)

バスでも見かけることはありますが、タクシーの回送ってどういう意味かわかりにくいですよね。

これは、タクシードライバーが業務を終えた後や、故障なんかで自分の会社に戻る際に使用する表示です。

空車なんかにしているとお客さんが乗ってきますし、他の、例えば「迎車」なんかにしていると、ドライバーへの歩合の面でややこしくなりますからね。

こちらの状態も、勿論乗車することはできません。

【迎車にかかる金額(料金)について】

さて、メーター表示についてはこのぐらいにして、ここから本題の迎車について説明します。

全国統一ではないですが、近畿の場合、タクシー料金は距離時間によって決まります。

● 距離 : 単純に走った距離に対してかかる料金

● 時間 : タクシーの速度が時速10km以下になった場合に加算

大阪の場合を例に、街中でタクシーを拾った場合と、迎車してもらったときの料金の違いを簡単に説明しましょう(下表Aは、大阪における主なタクシー会社の料金表)。

※距離料金は、タクシー会社によって初乗り料金が異なります。

※1メーターを1kmとするタクシー会社もあるようです。

<表A>

一般的な料金が上がる距離と時間の仕組み表

■街中でタクシーを拾った場合の料金

ポイントとなるのは、「距離」に関する部分です。

街中でタクシーを拾った場合は、スタート時点(乗り込んだ時点)から距離がカウントされます。

つまりこの時点では走行距離は0mです。

ドライバーがメーターを「賃送」に入れると、初乗りの料金表示が表示されますので、中型車の場合は680円、小型車の場合は660円となります(上表の「距離」部分を参照)。

信号や渋滞につかまることがなく、2km以内の距離で降りれば、料金は1メーター(中型車なら680円)で済みますね。

■迎車してもらった場合の料金

これに対し、依頼により迎車してもらうと、多くのタクシー会社では迎車料金がかかります。

ドライバーが「賃送」に入れると、初乗りの料金表示が表示されますので、中型車の場合は680円、小型車の場合は660円となり、見た目には変わりません。

しかし、内部的には違います

迎車に来てもらった時点で、すでに走行距離がカウントされている(0mではない)のです。

これは、国が認めている「スリップ制」という仕組みにあります。

【タクシーのスリップ制とは】

タクシーのスリップ制とは、

お客さんが乗っているものとして料金を距離加算できる仕組み

のことを言います。

下図で説明しましょう。

」のタクシーに注目してください。


※クリックすると大きくなります

このタクシーは、迎車先に行くと了解した時点で、迎車先までの距離は2km以上あります。

迎車メーターは、「1メーター分(2km換算)」ですが、「ア」のタクシーのように、迎車先までの距離が2km以上ある時(明らかに遠い時)は、2kmよりも近づいたであろうタイミングを見計らって、迎車メーターを入れます。

ただ、このタイミングはドライバーの任意です。

つまり2km以上離れている段階で、迎車メーターを入れても問題はありません。

え?

迎車メーターは、1メーター分しか加算できないはずでは?

と思ったあなた!

心配はご無用。

ここでスリップ制の登場です。

「スリップ」とはどういうことを意味しますか?

そうです。「スベる」ということ。

つまり、距離カウントが2kmを超えた場合、カウントはスリップ(スベる)のです。

要は、2km以上はカウントできない仕組みになっているという事ですね。

同じ場所から乗って、同じ場所で降りたのに料金が毎回違うのは?

こういう経験ありませんか。

例えば、家に迎車してもらって近くの駅まで乗ったのに、日によって料金が大きく違うという事が。

これは、スリップ制というものがある為に起こる現象ですが、結論から言って

おかしくはありません

複数台のタクシー(共に中型車:1メーター「2km」で680円とします)を同じ場所に迎車してもらって、同じ目的地に行く場合で説明しましょう。

さきほどの図を見てください。

「ア」のタクシー

迎車先に着いた時点で、内部的には2km走ったことになっています(スリップ制により、2km以上は計上されない)。

目的地に向かって走り出すと、前述の表Aより、266m走った時点で、カチッと料金メーターが上がり80円プラスとなります。

時速30kmで走っても、8秒ちょっとで80円上がる。

「今日は暑いですね」とか、ちょとした話をしただけでメーターがすぐに上がるので、びっくりするかもしれません。

「イ」のタクシー

迎車先までの距離が1.5km。

すぐにメーターを入れたと仮定すると、迎車先に着いた時点で内部的には、1.5km走ったことになっています。

目的地に向かって走り出すと、0.5km(2km-1.5km)は、迎車メーターの範囲内ですから料金はまだ上がりません。

迎車メーター分(2km)走り切った後、266m走った時点で80円プラスになります。

「ウ」のタクシー

迎車先までの距離が0.7km。

すぐにメーターを入れたと仮定すると、迎車先に着いた時点で内部的には、0.7km走ったことになっています。

目的地に向かって走り出すと、1.3km(2km-0.7km)は、迎車メーターの範囲内ですから、やはり料金はまだ上がりません。

迎車メーター分(2km)走り切った後、266m走った時点で80円プラスになります。

つまり、タクシーに乗り込む時点では、見た目は同じ680円ですが、内部的にはそれぞれ走ってきた距離が異なっている可能性がある。

これが迎車メーターの特徴です。

結果的に、同じ場所から乗って同じ場所で降りたのに料金が異なるという現象が起こるのです。

再度書きますが、これは国が認めている料金徴収方法です。

同じ場所から乗って、同じ目的地まで行く時は、

最も高かった料金が正規の値段である

という認識を持つようにした方が良いと思います。

迎車先に来てもらう時、道に迷ったら料金が高くなる?

迎車メーターも走行距離でカウントします。

わかりにくい迎車先で周りが一方通行だらけ、間違えるとぐるっと回らないといけないような場所であれば、ドライバーが迷えば迷うほど距離のカウントは当然上がります。

しかし、ドライバーも料金によるトラブルは避けたいと思うのが普通。

ですので、自分が迷ったと思う時には、しばらく走ってから「賃送メーター」を入れる人が多いようです。

つまり、迎車メーター自体は2km以上を走ってもスリップするので、お客さんを乗せたまましばらく「迎車」のまま走る。

大通りに出るまでは「賃送メーター」を入れないようにして、料金が上がり過ぎるのを防ぐわけですね。

バブル期以来の好景気?とはいえ、料金にはみんなシビアですから・・・。

因みに、タクシーメーターに関しては、ドライバーが触って距離を細工したりすることはできません。

法律により厳しい規定があるので、ドライバーがごまかしてどうこうできるのではないので安心して大丈夫です。

(タクシーメーター)

計量法によって定められており、正確な距離が計算できるように、タイヤの空気圧、車両のゆがみ、各種部品・接続部等の経年劣化等の器差への影響を確認するため、年に1度の装置検査(器差の確認)が義務付けられています。

【まとめ】

今はITがどんどん進化しているので、タクシーの自動運転も近い将来実現されると思います。

そうなればもっと明確な料金体系になり、利用者にわかりやすい仕組みができると思います。

それまでは、少しわかりにくいですが、このスリップ制に納得してタクシーを迎車してもらう、もしくは迎車料金がかからないタクシー会社を探すしかないですね。。。

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