台風情報の数値で注目すべきはヘクトパスカル?それとも最大風速?

気象衛星から見た日本(台風の様子)

日本は台風が多くやってくる国の一つです。甚大な被害を及ぼしたと言われている1959年の伊勢湾台風では、実に5000人を超える死者・行方不明者を出し日本に大打撃を与えました。この時の台風による直接被害は一体いくらぐらいだと思いますか?

その額なんと5500億円です!

先日、2017年度の一般会計予算が閣議決定されましたが、この5500億円という数字は、よく耳にするODA(経済協力費)の金額とほぼ同じです。

世界に対して、国として支出している支援金1年間の金額が、1個の台風によって消えたのです。恐ろしいですね・・・。

今では国や自治体によるインフラ整備、住宅の強度向上、又人々の防災意識の高まりなどで被害は少なくなってきてはいますが、前述したような過去の大規模台風を実体験していない我々世代は、いまいち台風に対して理解していないことが多いように思います。

そこで今回は、毎年必ず経験する台風に関して調べた内容を書きたいと思います。

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【台風の大きさ】

台風が近づいてくると、天気予報では最大風速が何メーターであるとか、中心の気圧が何ヘクトパスカルであるとか、時速が・・・なんていろいろな数値が出てきますが、台風の大きさを表すうえで気象庁が分類している台風の大きさは、ズバリ

風の強さです。

風速


” 今回の台風は最大風速〇m/sです ” という言葉を天気予報でよく耳にしますが、この「風速」というのは下記の計測方法によりはじき出しています。

地上10mの高さの10分間平均の風速

10mという高さは、建物で言うと大体2~3階ってとこでしょうか。その付近で吹いている風速を計測しているんですね。意外と低い!

そして、この時間に吹く最大値(最速の風)を最大風速と呼びます。

この他に” 最大瞬間風速 ” という言葉もありますが、これは” 3秒間の平均風速の最大値 ” のことを言い、最大風速とは別物です。

わたしたちが生活している高さ(地上2mぐらい)は、地上10mよりも2~4割ぐらい風速が弱いですが、瞬間的には最大風速よりも強い風を受けることがあるので、この言葉は気にした方がいいですね。

気象庁が使用している「日本版改良藤田スケール(JEFスケール)」という突風の風速評定では、風の強さがこんな感じで示されています。
※表の左端に書いた「風速の範囲」は最大瞬間風速を表しています。


※クリックすると大きくなります(気象庁データより抜粋)

先日上陸した超巨大の台風21号は、最大瞬間風速が60m/s(最大風速は40m/s)でしたから、ランクで言うと、表の1番下にある ” JFE2 ” という階級です。この風のスピードはをわかりやすく表現すると、新幹線が走るスピードで風が吹いているような状態です。

そりゃ横から吹かれたら大型自動車も横転しますね・・・。

因みに、「大きさ」という表現で言うと、大型と超大型というものがありますが、これは最大風速が15m/s以上の所謂「強風域」の範囲がどのくらいであるかによって変わってきます。

大 型

半径500km以上~800km未満

超大型

半径800km以上

直径にすると、大型の場合は青森県から大阪付近、超大型だと本州の端から端までといった範囲が強風域になるますのでいかにこの前の「超大型」が大きかったかわかります。

あと余談ですが、台風は進行方向の右側にあたる部分が最も風が強くなります。

風邪の流れる向きが「反時計回り」であることは有名ですが、台風の右側の風が強くなるのは、台風自身の移動速度が風速にプラスされるからです。

ですので、特に速度が遅い台風などでは、台風が近づいてくる右側の地域の人は、どのくらいの時間に来るのかを知っておくことが重要ですね。

中心の気圧(ヘクトパスカル)


” 気圧 ” とは、空気の圧力のことを言います。

天気予報で中心気圧が970hPa(へクトパスカル)といった表現をしますが、これは空気の分子が地面を押す気圧を表しています。

空気中の分子は地面に対して下向きに押すわけですが、その力を単位面積あたりで表現したものが所謂「気圧」と呼ばれるものです。

この空気中の分子は当然空気中でも押し合っており、空気中でもその高度における気圧として表現することができますが、台風においてはこの数値が小さい方が被害が大きくなる可能性があります。

なぜなら気圧が下がると、海水面が上昇し高潮による被害が拡大するからです。

潮位は月と地球の位置関係によって半日という周期で毎日潮の満ち引きを繰り返していますが、満潮の時刻と台風の接近が重なると潮位が一気に上がり、堤防が決壊したりすることで海や川周辺の地域に水害をもたらします。

ではなぜ潮位が上がるのでしょうか?

これはストローでジュースを飲むところを想像するとわかりやすいと思います。ストローで空気を吸い込むとストロー内の気圧が下がり、ジュースを口元に運ぶことができます。

台風の中心付近では上昇気流が起こっており、このストローでジュースを吸い上げるのと同じように海水面を引き上げます。

1ヘクトパスカル気圧が下がると水位は約1cm高くなるので、台風の中心気圧が仮に970ヘクトパスカルで、その地域における通常時の気圧が1000ヘクトパスカルだとすると、中心付近では通常よりも30cmも水位が上がることになるのです。

さらに海辺付近では、風が沖合から陸にかけて強く吹きつけることで更に被害が大きくなります。吹き寄せ効果と呼ばれるこの効果は、風が強く、湾の奥行きがあるところほど大きくなるのですが、特に浅い湾である場合に波が堤防を越えてくる可能性が高くなります。

ですので、中心気圧(ヘクトパスカル)に関しては、特に浅い湾の周辺に住んでいる方にとっては注意すべき数値であると言えます。

台風が起こる仕組みと場所

台風が発生する仕組みはこうです。

熱帯地方の海において、太陽からの熱で海水温が上昇し蒸発。温められた空気と水蒸気が一緒になって上昇する中で、やがて上空の冷たい空気に冷やされて水蒸気から水へ。その水が固まって雲を形成。

水蒸気が水になるときには、水蒸気が持っている熱が外に放出されますが、それによって周りの空気が暖められ、軽くなることで更に上昇気流が発生。

それが積乱雲となり、複数の積乱雲が固まって一つの大きな塊になります。

地球は自転している為、わたしたちの住んでいる北半球では反時計回りに回転し渦ができます。これが所謂 ” 熱帯低気圧 ” 。

これが発達して風速が17.2mを超えると台風となるのです。

因みに台風は、地球の自転が働くところでしか発生しません。つまり赤道直下では発生しないのです。

ではどこで発生するかというと、おおよそ北緯・南緯とも5度より赤道から離れた場所です。

主な場所はフィリピンの東の方の海と、メキシコの西の海付近です。

【まとめ】

ニュースで各地の被害状況が報道されているのを見ると、そのたびに台風の恐ろしさを感じます。

幸いわたしの住んでいるところは平地でかなり内陸なので水害という意味ではあまり心配はありませんが(中心の気圧はあまり関係なし)、それでも風による影響は変わりません。

最近は2013年に新設された ” 特別警報 ” が発表されるようになり、台風がもたらす雨による土砂災害も含めた避難情報がいち早く自治体から発表されるようになったので、台風が接近・通過する時は、前述の各数値ともども注意したいものです。

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