ベーシックインカムは実現可能か?世界で実施された実証結果と効果

欲しいものを想像する人

日本では、憲法の第25条「生存権」について『すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』と定められており、これまでは” 一億総中流社会 ” と言われていました。
しかし、今は「何とかミクス」の恩恵を受けている、景気が良くなったと感じている人は一部の人を除いてはほとんどいないのが現実ではないでしょうか。

失業率が下がっているのは、単なる労働人口の減少で企業が社員を増やしているだけですし、あいかわらず海外のインバウンド頼みの状況ですから、今後も実感できる豊かさはやってこないかもしれません。

ただ、今巷でちょこちょこ言われ始めている ” ベーシックインカム ” というものが制度的に行われると、もしかしたらわたしたちの生活はもっと豊かになるかもしれません。

今回は、いま世界でいろいろ実験段階にある ” ベーシックインカム ” について書いてみたいと思います。

興味のある方はご一読ください。

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【ベーシックインカムとは】

最近あちらこちらで聞く ” ベーシックインカム ” という言葉。

簡単に言うと、これは、『国民すべてに必要最低限のお金を定期的に配る』という夢のような制度です。

必要最低限がいくらになるのかは国によっても違うのでわかりませんが、とにかく『食べるのに困らないぐらいのお金』というと簡単で分かりやすいかもしれません。兎に角、生きていくために純粋に必要なお金という金額です。

日本には年金というものが退職後の生活を支える唯一(ほとんどの人にとって)の収入になっていますが、年金受給までの年齢の方でも一律に受け取ることができる、これが ” ベーシックインカム ” と呼ばれるものです。

これがあると大きく生活は変わります。

失業


わたしはプロフィールにある通り、初老のこの年まで実に10回以上の転職を繰り返していますが、その中には早まって就職し失敗した例がいくつかあります。

では、なぜ早まったかというとそれはズバリ!

日々の生活費が逼迫したから

です。

失業中は当然ですが収入がありません。しかし、高度経済成長でもない日本で簡単に就職できるほど技能もない自分にとって、仕事先を詳しく慎重に吟味できるような時間はありませんでした。

結果、「とりあえず的な職場」を選択し、また辞めるという負のスパイラルに陥ります。

もしベーシックインカムがあれば、就職しなくてもとりあえず飢えることはありません。少なくとも慎重に企業を選択する時間が確保できます。

教育


また、教育の面でも格差が小さくなるというメリットが考えられます。

例えばわたしが学生の頃は高校と言えば「公立」に行くというのが主流でした。今は夫婦間の子供の数が少なくなっていることもあり、一人にかける教育費が高額になる「私学」という選択肢も普通にあります。

小中学校の時に、ひとりで何個も塾に通うなんてことも当たり前のようなこのご時世。ただそんな中でも、家庭の事情で塾に通えず、生まれた家が金持ちかどうかで将来が決まってしまうということもザラにあります。

もしも、ベーシックインカムで得たお金の一部を、教育費に回すことができれば、その子供の ” 可能性 ” が広がります。お金がないとなにかと制限されますが、お金があれば選択肢が広がるのです。

健康


お金がないと、人によっては極限に悪くなるまでは病院に行かないという人も中にはいます。まあ、行きたくても診療費を払えないと行けませんけどね。

生活保護の人の医療費が無料なのは、健康で文化的な・・という憲法25条があるおかげかもしれませんが、生活保護を受けられていない例えば母子家庭の方や、親を介護しながら生活している人にとっては、それさえも机上の空論。

わたしも現在父親が介護状態にありますが、正直介護にかかる費用は1か月数十万円に上り、自身の生活もかなり制限された状態にあります。

国の医療費が破たん寸前である今、「自立」という耳触りの良い言葉で本当に必要なところにお金が回りにくくなっている現在、このベーシックインカムが行われれば、希望みたいなものが少しは見えてくるんですが・・・。

こんな風に、ちょっと考えただけでもプラス面が多いすばらしい制度ですが、これが広まらないのには訳があります。いろいろ問題があるのです。

これまで、世界では複数個所でベーシックインカムに関する実証実験が行われているようですが、次はその結果について書いてみたいと思います。

【実証結果】

最近読んだ本では、アフリカのとある国の「とある村」で実施されたベーシックインカムのことが書かれていました。

全体的な評価


結論から言うと、その国におけるベーシックインカムは、” 成功 ” だったようです。

それまでは未来に対する希望もなく、仕事もなく毎日を寝て過ごすだけという先の見えない生活という人が多い中、ベーシックインカムによって食料を買い、衣服を清潔に保ち、家の補強をし、子供を学校にも通わせることができるようになる。

飢えの多くが解消され健康状態が良くなり、生活が安定したことで仕事を自ら初めて収入を増やすという行動が多くなったとのこと。更には、貧困地域にありがちな犯罪が減少し、人々の意識も変わっていったようです。

決して多くはないお金でも、人々の生活は豊かになったのです。

人間には欲求があります。

マズローの欲求5段階説は有名ですが、この貧しい国で行われた実験では、単純に飲食したいという低次の生理的欲求、押し入り強盗などの犯罪や自然災害から身を守るために家を補強することで安全欲求が満たされています(そもそも犯罪自体減ったようですが)。

更にはもっとお金を増やし自分の貯蓄を増やしたいという気持ちと共に、社会で役に立ちたいという社会的欲求も生まれています。

お金をタダでもらうと人間は働かなくなったりギャンブルやお酒などに使って怠惰になるという理由で反対する人はいますが、必ずしもマイナス面ばかりではないという結果が、他の実証実験を行った国でも出ており概ね良好な結果となっています。

マイナス面


ただ、今回行った実験の財源はあくまで寄付で成り立っているもので、数年という期間限定のもの。しかも、人数が数百人と少ない地域でおこなったもので、未来永劫行うところまではいっていません。

マイナス面よりもプラス面が多く、政府に財源があってもです。

そこに存在するのは、既得権益をもつ所謂権力を持つ人々の存在です。特にアフリカは白人が支配していた過去があり、今でもその色は濃く残っています。

法律そのものが白人有利になっている場合もあり、それを変更するにはものすごい時間がかかる為、なかなか前に進めることができないんですね。

なんだかんだで人は自分が一番かわいいもの。寄付という行為もある意味自分が満たされたいがために行うようなものです。明日の飯も食えないほどに困窮している時に寄付しますか?しないですよね。

あくまで自分が満足している時にしか人は寄付しないのです(こんなことを書くと元も子もないですが・・・)。

【まとめ】

現時点で、ベーシックインカムの実験を行い成功しているのは、日本とはかけ離れた厳しい生活を強いられている国の人ばかりであり、これが先進国と言われる国で同じ結果が出るとは思いません(そもそも人数が桁違いですし)。

しかし、ベーシックインカムは単なるバラマキではなく、消費に回ることから一部は国に返ってくるものです。

確か数年前に ” ふるさと創生事業 ” として各自治体に1億円を配り、あとは勝手に自治体で考えて地域活性化のために使ってという丸投げ政策がありましたが、あんなものをやるよりも、よっぽどベーシックインカムについての議論をもっとやってほしいと個人的に思っています。

なんせ、これは所得の再分配なわけですから・・・。

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