仮想通貨「ビットコイン」。その仕組みと安全性(フィンテック)

ビットコインの採掘

2013年、「マウントゴックス」というビットコインの取引所が破たんし、それに投資した人たちが大損したという事が、メディアで騒がれていました。

『儲かる架空のファンド』に老後の資金を充て、経営者が破たんして「わたしたちはこれからどうすれば・・・」的な年配の方のインタビュー。

何度も見ましたが、見るたびにわたしは、こう思いました。

人間の欲は年齢を重ねても消えない。。。

当時のわたしは、「そんな胡散臭いものに投資をするのは自業自得でしょ?」とバッサリ。

ビットコインというものが一体どういうものなのか、どんな魅力や利便性があるのか知りませんでしたし、知ろうともしませんでした。

しかし最近になって、少し勉強してみようという気持ちになりました。

フィンテック(金融IT)が進み、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行など、日本のメガバンクがこぞって独自の仮想通貨に興味を持ち出しているからです。

新聞や雑誌の記事で、仮想通貨のことを目にする機会も多くなりましたしね。

今回は、自分なりに調べた「ビットコイン(仮想通貨)」について知り得た、仕組みやセキュリティについて書いていきたいと思います。

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【ビットコインとは?】

ビットコインを作り出すプログラムによって採掘される仮想通貨のことを言います。

紙幣や硬貨は形のある目に見えるもので、極論、意味無尽蔵に増やすことができるものです。

しかし、ビットコインは、目に見えないインターネットの世界で生み出される「枚数に制限のある通貨」になっています。

まあ、通貨というよりはデータでしょうか。

ビットコインは、枚数に制限を設けているというのが特徴的で、需要と供給の関係をうまく利用しています。

数が増えすぎることは「価値の低下」につながるので、予め採掘される総量が決まっているのです。

その総量は、2100万ビットコイン

現在はまだ採掘の途中段階であり、その全貌が現れるのは2140年になるようにプログラミングがされています。

※「採掘」については後述します

ビットコイン自体は通貨とは言え、どこかの機関が発行しているものではありません。

だれでも採掘という形で手に入れることができるのです。

この採掘に必要なものは、処理スピードに優れたパソコンと、採掘に必要なプログラムのみ。

今は、多くの国で大量のパソコンを使った採掘作業が行われています。

送金手数料が金融機関に比べて安くなるといった生活上のメリットが考えられるビットコインですが、現在はどちらかというと投機対象となっており、価格が乱高下しています。

【ビットコインの採掘】

ビットコインは、そのプログラムにある複雑な暗号を解読することで採掘することができますが、ある特徴を持っています。

それは、採掘する人数(厳密にはパソコンの台数)が増えると、採掘を難しくして採掘量を調整するという巧妙な仕掛けがされているという事。

そうそう簡単には採掘できないようになってるのです。

「採掘するためのツール(bitcoin miner)」は、無料で手に入れることができるので理論上は誰でも参加でき、採掘のチャンスはあります。

しかし、何万台ものパソコンを使って採掘作業を行っている企業も存在し、今からでは個人で到底採掘できるものではありません。

しかも24時間稼動させっぱなしですので電気代もばかにならない!

さて、「採掘」という表現をこれまで使っていますが、具体的に「採掘」とはどういうことなのでしょうか。

これはわたしが勝手に言っているわけではなく、ビットコインについて語られる際に一般的に使われている言葉になります。

ビットコインには、アメリカの国家安全保障局(NSA)が開発したあるアルゴリズムが使われています。

実態はと言うと、セキュリティ処理においては欠かすことが出来ないハッシュ関数

ハッシュ関数は「ある値を与えた際にある値を導き出す関数」のことを言います。

取引の記録は数百単位で「ブロック」に書き込まれ、ハッシュ関数によってハッシュ値が導き出されます。

ブロックごとの取引を暗号化したものがハッシュ値であり、これがブロックのラベルの役割を果たしているとも言えます。

ハッシュ値は、次の取引が記録されたブロックの入力値として使用され、同ブロックの取引データ(数百データ)を含めて計算がされます。

そうして、次のブロック(ブロック2)のハッシュ値が導き出されます。

ハッシュ値は64桁の文字列になっており、先頭に15個ほどの「0」が並ぶのがルール。

しかし取引の記録と、ハッシュ値(前ブロックのハッシュ値)を足しただけでは、先頭に「0」がそれだけ並ぶことは皆無です。

つまり何らかの値が必要。

採掘とは、その値(先頭に「0」が並ぶようにする為の値)を導き出す作業だと言えます。

そして、この作業は、どんなに高性能なパソコンを使っても約10分の時間がかかるようになっています。

図で簡単に書くと、下図のような感じになります。

<ビットコイン採掘の仕組み>
ビットコイン採掘の仕組み

ビットコインが誕生してから既に何十ギガにもなる取引データが記録されており、新たに参入しても1ブロックあたり最短でも10分の計算がかかります。

ビットコインを採掘するには、莫大な時間がかかるのです(10分×ブロック数)。

因みにですが、これらの採掘作業(ハッシュ値の計算作業)により得られるブロックのデータは、すべての参加者の間で共有され改ざんは不可能。

というのも、これらの「データの正しさ」というのが多数決によって決まっているからです。

詳しくは次の項目で書きますが、これらの作業に参加するということは、不正を防ぐための作業でものです。

費用(パソコン本体や、稼働するためにかかる電気代)は莫大にかかりますが、採掘は同時に不正を防ぐ作業とも言える。

その作業に対する報酬として、ビットコインが支払われるというのが「採掘」の仕組みになります。

【ビットコインのセキュリティ】

ネットワーク上でやり取りする上で重要なのは、やはりセキュリティです。

ビットコインのやり取りについては「公開鍵と秘密鍵」の技術が使われています。

「公開鍵」と「秘密鍵」は「対」になっており、一意です。

公開鍵はネットワーク上の誰もが確認できるものですが、秘密鍵は自分しか持っていない唯一無二のもので自分しか持っていません。

そのため、他人が公開鍵でロック(暗号化)されたデータを横取りしても、鍵がないから中身を開けることができません。

公開鍵が「錠前」で、それを開けるための「鍵」が秘密鍵というイメージでしょうか。

<ビットコイン送信の仕組み>

ビットコイン送信の仕組み

ビットコインをネットワーク上でやり取りするためには、「ウォレット」と呼ばれる自分専用の財布を作る必要があります。

このサービスとしては「BLOCKCHAIN」というものがあり、ここで自分のアカウントを作成することで公開鍵が使えるようになります。

公開鍵からはいくつも送信用のアドレス(ウォレットID)を作成することができ、送信者はそのアドレスにビットコインの金額を入力して送信します。

こうすれば、そのデータ(暗号化されたビットコイン)を他人が取得しても鍵(秘密鍵)がないから開けることができず、確実に送信先に送信できるようになります。

また、この内容は前述したように「ブロック」に1つの取引内容として新たに記録されます。

ブロックに書き込まれた情報は、すべての参加ユーザーが共有できるものとなっているので、偽の取引内容があっても大丈夫。

情報共有しているユーザーの、膨大な数のコンピュータによる取引の記載内容と一致しないので「無効」なものとして扱われ不正を防ぐことができます。

※全ユーザーの51%にあたる処理能力があれば不正を働くことができますが、採掘には膨大な数のコンピュータが関わっているので現実的に不可能に近いと言えます。

つまり「鍵」と「取引データの承認作業」という2つのセキュリティにより、ビットコインは不正が入り込まないような仕組みになっているのです。

【ビットコインの管理者】

日本の場合、紙幣は日本銀行(日銀)が発行しています。

ここでは、偽造や変造、又損傷や汚染があった場合に、その度合いに応じて再度流通させるかどうか判断するといった「鑑査」という作業を行い管理しています。

では貨幣はというと、これは日銀ではなく政府が発行しています。

※独立行政法人造幣局が発行し、それを日銀へ交付することで「発行された」ことになります。

つまり、貨幣については国の責任で管理されているのです。

ではビットコインの発行は、誰の責任になるのでしょうか。

結論から言うと、ビットコインに管理者や責任者はいません

あえていうなら参加者全てです。

参加者全てがブロックの取引記録に関わり承認作業を行い、同時に採掘しているのです。

そういう意味で言うと、かつてあった「マウントゴックス事件」のようなものが起きても誰も助けてくれません。

いわゆる自己責任になります。

銀行預金はペイオフにより最大1000万円までは、たとえ銀行が破たんしても国が補填してくれますが、ビットコインに関しては責任をぶつける先がありません。

ビットコインの誕生は2009年なので、まだ10年ほど。

しかも、2013年のマウントゴックスの事件で、初めて一般人にも知られるようになったレベルのものです。

各国の対応も渋いものです。

ロシア

「違法」扱い

インドネシア

「使用を認めない」

中国

「マネーロンダリングの温床になる」との見解で、取引所の取引を停止

日本はどうかというと、2015年に画期的な法案が通りました。

仮想通貨を「貨幣の機能を持つ」と認め、オンラインや公的な決済手段として利用を認めるというものです。

仮想通貨の取引所を登録制にして監督を強化する流れですので、今後については、自己責任の範疇を出ることは難しいですが、「怪しさ」は徐々に払拭されていくかも?。

【まとめ】

日本でもビットコインが使える店が増えてきています。

ATMで購入できる「ビットコインATM(通称ロボコイン)」も日本には存在するので、ネット上の取引所で買わないといけないわけでもありません。

あれだけの事件があってもビットコイン自体の価値は下がらず(中国人の介入等で乱高下は激しいですが)、現在でも使用され続けているので今後残っていく可能性は高いと言えます。

※最近で言うと、コインチェックが数百億というビットコインを盗まれ大きな話題となりました・・・。

(2017.9.19追記)

GMOやDMM.comといった企業が、ビットコインのマイニング(採掘)に対して本格的に参画するという発表がされています。

昨今ビットコインから分離したビットコインキャッシュの他にも世界にはたくさんの仮想通貨があります。

エストニアでは自国の仮想通貨である「エストコイン」を作る動きもあり、現金主義である日本は取り残されていくのかと少し心配なところはあります。

犯罪に使われることはよくないですが、ガラパゴス化が叫ばれる日本でも、仮想通貨で遅れを取らないよう頑張ってほしいものです。

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