【大人の工場見学】造幣局で日本の硬貨について学ぼう!

造幣局の旧正門

※旧正門前(昔は横にある大川【旧淀川】から船で荷物の運搬を行っていました)

みなさん、お金は好きですか?わたしは大好きです。「お金がすべてじゃない!」と言われる方もいるとは思いますが、あっても困るものではないですし、あることでより多くの幸せを手に入れることができるのは明白。

宝くじで1等が当たったとか、ロト6でウン億円当たったとか、そこまでいくと人生が大きく変わって、結果不幸になるということはあるかもしれませんが、適度なお金を持つ「小金持ち」にはなりたいものです。

ただ、これだけ万人が大好きな「お金」。

実際に作っているところを見たことがある人は殆どいないと思います。

わたしは、大阪に住んでいるのですが、貨幣を作っている日本の工場「造幣局(本局)」が近くにあります。

ということで、たった一人で工場見学に行ってみました。

見学当日の様子を書いていますので、興味のある方はご一読ください。

※因みにこの工場見学は、誰でも無料です。

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【日銀と造幣局】

まずは前知識として、日銀と造幣局について簡単に書いておきたいと思います。

貨幣の発行

日本の貨幣には ” 紙幣 “と “ 硬貨 “がありますが、作っているところが異なるのはご存知でしょうか(わたしは恥ずかしながら知りませんでした・・・)。

先に正解を言うと、日本ではそれぞれ下記の場所でお金を製造しています。

● 紙幣 → 日本銀行 (日銀)

● 硬貨 → 造幣局 (政府)

日本はデフレ脱却の為にアベノミクスでお札をドンドン刷っていますが、日本の紙幣(銀行券)を発行することができるのは、「日本銀行だけ」です。

硬貨を発行することはできません。

逆に、造幣局は「硬貨」は作ることができますが「日本の紙幣」を作ることはできません。

役割がそれぞれ決まっているのです。

日本は諸外国に比べキャッシュレス化が進んでいませんが、訪日外国人の数が年々増加している中、QRコードを使った電子決済も今後進んでくると思います。

そうなると、ココ造幣局の役割もなくなってきますね・・・。

貨幣に関連する法律

日銀は「日銀法」によって、その業務や規則等について定められており、造幣局は「独立行政法人造幣局法」という、あまり聞きなれない法律によって定められています。

それぞれの法律によると、日銀・造幣局とも本店はそれぞれ東京と大阪と決められています。

前者においては財務大臣の許可を得て、日本だけでなく海外にも支店を置くことが認められています。

日銀のホームページによると、支店等の状況は下記のようになっています。

※2016年12月現在
日銀の拠点数一覧

造幣局は、主たる事務所を大阪に置くということだけが定められており、実際には滋賀県と広島県に支店があります。

因みに日銀と造幣局は、共に日本の貨幣を作っているところではありますが、その主目的は異なります。

日銀の目的

→ 通貨及び金融の調節を行い、「信用秩序の維持」に資する

造幣局の目的

→ 貨幣そのものが「信用できるものである」という事を、国民に知ってもらうための情報提供と通貨制度そのものの安定に寄与

【造幣局が作っているもの】

造幣局は主な仕事として、日本の硬貨6種類(500円、100円、50円、10円、5円、1円)を製造していますが、勲章や記念硬貨、意外なところでは、外国の硬貨も作っています。

日本の硬貨

現在流通している硬貨6種類のうちで、最初に製造されたのは「5円硬貨」です。

※昭和23年に製造

その後、26年に「10円硬貨」、30年に「1円硬貨と50円硬貨」、32年に100円硬貨が発行されました。

500円硬貨は、もともと500円札(肖像画は岩倉具視)があったことから、誕生はもっと後になります。

いつかと言うと、昭和57年です。

57年と言えば、東北新幹線や上越新幹線が開業、ソニーが世界初のCDプレーヤーを発売するなど活気に満ちた時代。

高度経済成長で消費者物価指数がどんどん大きくなり、高価な硬貨が必要になったのが要因の一つと言われています。

因みに、前述した『硬貨6種類』の年間製造枚数は、なんと10億枚!!

ピーク時は53億枚だったそうですが、現在は製造枚数のオーダーが減ってきているようです。※オーダーをするのは財務省

原因の一つとして上げられるのが、電子マネーの普及

若い人は、スマホや携帯を持っている人が多いですし、2019年には消費税も10%に上がり(予定ですが)、1円玉は特に必要性が低下しそうですね。

ここで1つ余談を。

みなさんは、レジ会計時に大量の小銭を出したことはありませんか?

この行為、実は出して良い枚数が法律で定められています。

その枚数は、1種類につき20枚まで!

ですので、レジ担当の方で、お客さんが同じ種類の硬貨を21枚以上出してきたら、「ただ今混んでおりますので・・・」といって断っても良いそうです。

さて、案内係の説明は、主に500円硬貨についてされていましたが、いや~、聞けば聞くほど日本の偽造防止技術のすごさに感心しました。

あまり詳しくココで書いていいのかわからないのでざっくり書きますが、主なものとして下記のものが500円硬貨には施されているようです。

硬貨の技術(潜像)

まず一つ目は「潜像」という技術です。

お持ちの500円硬貨(平成12年以降製造)を見てもらうと分かりますが、500という数字の「00」の部分に注目。

なんと、光の当たる角度で「0」の中に「500」という文字が刻まれているのが確認できます。

今度は硬貨を上下さかさまにしてください。

すると「00」の中の「500」と見えていたものは消えます。
この技術は、日本だけが持つのだそうです。

ところで、なぜ「平成12年製造以降」かというと、担当者の方が言うには、それ以前に自動販売機を使った悪巧みがあり、新たな偽造防止技術が必要になったからだとか。

その悪巧みに使われたのは、近隣の『とある国』の硬貨。

実は、大きさも材質も日本の500円硬貨と同じで、重さがわずかに重いだけでした。

自動販売機が、硬貨の「大きさ、重さ、材質」で種類を判断している事を利用し、誤認識による払い出しが行われていたのです。

要は硬貨を削って、日本の500円硬貨と重さを同じにすると、材質と大きさは元々同じですから、自動販売機が反応する訳です。

例えば「偽の500円硬貨」を投入し、100円の商品を買うと、100円硬貨4枚が手に入るわけですね。

「その国の硬貨」は、日本でいうところの50円程度の価値の硬貨だったことから丸々450円(とジュース)が手に入る訳です。

こういう経緯があって、日本の500円硬貨製造技術は進化を遂げたわけです。

硬貨の技術(斜めギザ)

二つ目は「斜めギザ」です。

よく10円硬貨で「ギザジュウ」というのが流行りましたが、500円硬貨を見てください。あるんです500円硬貨にも。

しかもギザギザが「斜めに入っている」のです。

量産化タイプの製造でこれが出来るのは、やはり日本だけです。

実際の製造工程をガラス越しに見せてもらいましたが、硬貨の模様を入れるプレスが上下から一度で行われるそのスピードは、すさまじいものがありました。

なんと、1分間に500枚ぐらいがプレスされていくそうです。

日本の技術はすごい!

海外の硬貨

前述したとおり、日本の硬貨の製造は、日本の金庫番である「財務省」が握っています。

ただ、昨今は電子マネーの普及等で依頼数は徐々に下がってきており、造幣局としても他の食い扶持探しが必要と言われていました。

そこで目を付けたのが海外の硬貨です。

ただ、これまで入札できたのは下記の2ヶ所だけです。

●2013年:バングラディシュ2タカ硬貨

●2016年:ジョージア20テトリ硬貨

「記念硬貨」ということであれば、日本だけでなく海外のものも多数作っているようですが、その国の通貨となるとなかなか入り込むのが難しいようです。

まあ発展途上国は、先進国のように膨大な量がいるわけではなく、日本ほどの技術を必要としないというのもあるのかもしれませんが。

担当者の方が、先細って行く製造のことを話すとき、なんとなく寂しそうな表情をしていたのが印象的でした。

独立行政法人といえど、なかなか現実は厳しいんですね・・・。

勲章・メダル

2018年も日本人がノーベル賞を取りましたが、日本の受賞者が招かれる式典には造幣局で作られた「文化勲章」を付けて出席します。

その他、芸能やスポーツの功労者に送られる「褒章」も、何を隠そう造幣局産です。

日本の最高位の勲章である「大勲位菊花大綬章」もそう。

これらも恐らく国からの発注でしょうね。

また、メダルも多く製造されています。

有名なのはオリンピックのメダルです。

長野冬季オリンピックもそうですが、56年ぶりに行われる2020年東京オリンピックでも造幣局が製造することになります。

因みに、日本で作られた金メダルは、まるまる金ではありません。

ほとんどが「銀」であり、5g分だけ金を使ってコーティングしているだけです。

つまり、金メダルと銀メダルは5gしか重さが変わりません(もちろん選手にとっての価値は雲泥の差があると思いますが)。

記念硬貨

記念硬貨は、これまで様々なものが作られています。

例えば、「青函トンネル記念硬貨(500円)」、皇太子殿下御成婚記念硬貨(50,000円)など、なるほど記念に買う人がいるだろうなと思うものから、「裁判所制度100周年記念5,000円銀硬貨」や「内閣制度創始100周年500円白銅硬貨」など、誰が買うんだろうと思ってしまうものもあります。

記念硬貨は、もちろん通常の支払いにも使うことが出来ますが、基本的には流通はしません。いわゆる「マニア」が購入するかと思いますが、そんなに売れるんですかね・・・。

待合室の1階に、記念硬貨の販売所はありましたが、見学に来た人の何人が購入するんでしょうね・・・。

因みに、記念硬貨には色付きのものも存在します。

その一つが

地方自治法施行60周年記念硬貨

です。

これは、西は北海道から南は沖縄まで47都道府県全てあります。

硬貨としては500円で、ニッケルと銅でできています。

各地を代表するデザインがされていますが、因みに大阪は「大阪城と文楽」です。

因みに、海外の記念硬貨も多数製造しています。

海外と言っても、アジアがほとんどですね。

●日本・スリランカ国交樹立60周年記念硬貨

●日本・カンボジア友好60周年記念硬貨

●バングラディシュ国立博物館100周年記念硬貨

etc・・・

【造幣局(本局)工場見学の予約方法】

さて、ここまで硬貨について聞いた説明について書きましたが、一度行ってみたいという方の為に、見学の予約についてサラっと書きます。

最近は企業でも工場見学をやっているところが多くありますが、案内が必要な場合は、団体だけしか受け付けてくれないところが殆どだと思います。

見学者1人に対して、案内係が1人だと人件費的に大変ですからね。

ここ造幣局の場合は、案内係が必ず付いて説明してくれるにも関わらず、なんと個人ひとりでも予約を受け付けてくれます!

しかも無料で!!

予約方法は電話、もしくはインターネット。

インターネットの場合は、造幣局のホームページから、画面右サイドにある「工場見学予約サイト(本局)」に進み、「予約はこちら」というところをクリックします。

工場見学予約方法(ネット)

<注意!>

電話予約の場合は、営業時間帯の9時~17時(平日)が受付です。

※インターネットの場合は終日予約可能

※桜の通り抜け期間中と、その前日は工場見学はダメみたいです

3か月先までカレンダーがあり、希望の時間帯をクリックすることで予約します。

※開始時間帯は下記となっています。

午前のスタート(3回)

→ 9時~、10時~、10時半~

午後のスタート(3回)

→ 13時~、13時半~、14時半~

所要時間は、全部で1時間半ほどです。

【造幣局の場所と工場見学当日の様子】

次に行き方ですが、ここは工場とはいえ、工場見学者用の駐車場はありません。

つまり、車で来場することはできません

公共交通機関を利用してください。

住所:大阪府大阪市北区天満1-1-79

造幣局

電車の場合、地下鉄谷町線の南森町(3番出口)が一番近いでしょうか。

駅を出て、道一本ですので迷うことはないでしょう。

(当日の様子)

さて、無謀にもたった一人で乗り込んだ造幣局。

当日、北側正門から中に入ろうとすると、1人の警備員がすぐに飛んできました。

「何のようですか?」的な感じで。

もう1人の警備員も訝しげにこちらを見ています。

やはり、作っているモノがモノですから、そんな感じになるんでしょうか。

流石セキュリティは高い!

対応もしっかりしている!

工場見学である旨を告げると、笑顔一つなく脇にある守衛室を案内されました。

名前を告げると「3人ですね?」と意味不明な返答。

はは~ん、この守衛は見えてはいけないわたし以外の二人が見えているのか・・・。

「いえ、1人ですけど・・・」と言うと、「〇〇さんですよね?」と違う名前を推してきます。

若干イラッとしながら、自分の名前と1人である旨、そして予約メールの内容を見せ、身分証として免許証も見せました。

入館時には身分証が必要ですのでお忘れなく

確認を取って向こうの手違いであることがわかり、入るまでに5分を要しました。

「う~ん、しっかりしているようでしていないな・・・」と内心思いながらようやく入館。

バッチをもらい待合室へ向かいました。

待合室には誰も居ませんでしたが、先客で、どこかの小学生が社会見学で来てました。

学校の社会見学として造幣局は重宝されているようです。

やっぱり、無料というのが肝なのでしょうか?

見学時間近くになると、後から家族3人が登場。

「守衛室で3人と言っていたのは、この人達のことか」と納得し、見学者4人と説明をする職員1人の合計5人で館内を回ることになりました。

流れはこんな感じで進んでいきます。

1.造幣局がやっている仕事の中身についてのビデオ鑑賞

2.『桜の通り抜け』で使われる道を通って、製造工場見学

3.博物館見学(自由時間)

【まとめ】

工場の中は機械化が進み、人間の姿はあまり見られませんでした。

製造作業は朝から夕方までだそうですが、受注があまりない影響でしょうか、人が忙しそうに働いている感じは全くなく、オートメーションで機械が動いている姿だけだったのが印象的。

桜の通り抜けで行ったことがある人は多いと思いますが、日本の貨幣については本当に勉強になるので、一度行かれることをお勧めします。

<補足:桜の通り抜け>

造幣局の『桜の通り抜け』が最初に行われたのは1883年の事。

130年近い歴史があり、毎年多くの方が足を運びます。

ここにある桜は、現在134品種、350本。

560m続く桜並木は圧巻です。

1世紀以上も続いているこのイベント、時間がある方は是非見に行ってください

※天満橋方面(南門)から1号線方面(北門)への一方通行ですので気を付けてください

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