死別した相手親族の扶養は義務?姻族関係を法的に終わらせる方法

怒りで地面をこぶしで殴り地面にヒビが入った状態

日本は、世界でも稀に見るスピードで高齢化が進んでおり、人口も平成20年をピークに減少傾向が続いています(総務省統計局)。平成67年(平成がどこまで続くかわかりませんが)となる今から50年後には1億人を割り込むという試算もされており、非常に国家として厳しい状況にあります。

独身であるわたしが言うのもなんですが、結婚しやすく子供を産みやすい世の中になれば(景気が良くなれば)、その問題も少しは解消されるのかもしれませんが、同じく厚生労働省が発表している ” 離婚 ” に関するデータを見ると一概には結婚して子供を増やせば・・・という感じでもありません。

平成20年と少し古いデータになりますが、それによると年間の離婚数は実に25万件に上ります。

同じ年の婚姻数が約70万件ですから、いかに離婚する人が多いのかわかると思います。

さて離婚となると相手方の親族との関係は終了になりますが、死別となった場合はその関係はどうなるのでしょうか。

金銭的にも身体的にも相手親族に対しては扶養する義務が婚姻中は存在しますが、相手が亡くなってからも縛られる必要はあるのでしょうか。

いえいえそんなことはありません。

日本の法律はそこまで非情でなくちゃんとした解決策が用意されています。

今回はそんな精神的に辛く悩んでいる方について、役立つ情報になればと思い記事にしました。

興味のある方はご一読ください。

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【姻族とは?】

『親族』という言葉もありますが、親族と姻族は当然ですが異なります。

また法律上「血族」という言葉もあります。

百聞は一見に如かずなので、簡易な図で表現してみました。

姻族関係説明図

親族とは?

法律上は、「6親等内の血族及び配偶者と、3親等内の姻族」が親族にあたります。

丁度、緑枠で囲った人たちですね。

結婚し親戚関係になると配偶者側の人たち(傍系)とも付き合いが始まります。

後述しますが、この範囲にある人達は法的に扶養する義務が発生します。

因みに親等の数え方は自分を中心として1つ上がったり下がったりすると1つ増えます。

例えば自分の兄弟は親を経由して繋がっているので、親(+1)と兄弟(+1)を足して2親等になります。

血族とは?

血族は、赤枠部分の範囲になります。

いわゆる血がつながった状態の人たちです。

これには ” 直系 ” と ” 傍系 ” があり、前者は子や両親、祖父母・・・という縦のつながりを、後者は、兄弟姉妹や甥っ子姪っ子といった横のつながりになります。

いずれにしてもポイントは「血がつながっている」というところです。

6親等まで存命している人というのは、まあそうはいないでしょうが、民法上はこの6親等までの範囲内を血族としています。

姻族とは?

そして、青枠にあたるのが「姻族」です。

婚姻することにより親戚関係になる父母や兄弟姉妹等がこれにあたります。

結婚をしたいと思っていても、この部分(配偶者側の親戚との付き合い)がネックになると感じる人は多いでしょうね、特に女性は。

今回の記事にしている内容も、結局この部分の人たちに対する関係を断ち切るためにはどうすればいいのかを内容としています。

【扶養義務はあるのか?】

民法では、婚姻した場合に互いに扶養する義務があるとされています。

例えば民法877条では、「直系血族・兄弟姉妹は互いに扶養する義務がある」とされており、また、730条では、直系血族及び同居の親族は互いに助け合わないといけない」と規定されています。

昔は「家制度」で男性が家長となり一家を支えるというのが当たり前でしたが、今の時代は核家族化が進んで、人間同士の関係性が希薄化しているように感じます。

結婚は今でも「〇〇家と△△家」という家同士のものではありますが、民法はそもそも明治37年とかなり古い時代に作られたもの。

簡単に変えるべきではないとはいえ、時代に即した改正はあっても良いのではと個人的に思っています。

話が少し脱線してしまいました。

婚姻関係にある時は、何かと親戚づきあいというものが必要になってきますが、では本題のように「死別」した場合、相手親族に対する金銭的・身体的扶養義務はあるのでしょうか。

結論から言うと、法律上の扶養義務はありません

離婚の場合は、婚姻関係の解消となる離婚届を提出することで戸籍からも消えますが、配偶者が死別したからといって戸籍上変動があるわけでもありません。

これは同居していようがいまいが関係なし。

配偶者が死んだ後まで、配偶者の親の面倒を看る義務はどこにも存在しません。

<注意点>

但し、基本的には当事者間で話し合いをすることを前提とし、家庭裁判所が特に必要と判断したときは扶養義務が発生しますのでご注意を。

扶養を受ける側の需要と扶養する側の資力、その他一切の事情を考慮して決められることになります。

【姻族関係の終了】

死別した配偶者側の両親を扶養する義務は基本的にありませんが、離婚と違い、意思表示をしない限りは、配偶者側の姻族との関係は継続したままになります。

これでは、何かあった時に面倒に巻き込まれないとこ限りません。

ですので、意思表示が必要になります。

「意思表示」とは、民法の728条においてこういうふうに書かれています。

民法728条第2項

「夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が婚姻関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする」

この ” 前項 ” には「姻族関係は、離婚によって終了する」というものがあります。

この意思表示にあたるのが「姻族関係終了届」。

これを提出することで法的な関係性を断ち切ることができます。

【姻族関係終了届の手続き】

ではその手続きはどのようにするのか?というところですが、これは自分の本籍地かもしくは、所在地(一時的にいる場所でもOK)の市区町村に行って用紙をもらい、提出すれば完了です。

離婚などの場合は、

家庭裁判所で調停 (不調)

裁判して判決

という流れで時間も費用もかかりますが、この姻族関係終了届の場合は、本人が単独で決めて提出するだけでOKなところがみそです。

因みに届け出をするには下記のものが必要です。

・戸籍謄本

・姻族関係終了届

・身分証明書

・印鑑

【親族にバレない?相続は?】

姻族関係終了届は、姻族との関係を断ち切る上で有効なものですが、断ち切ることによって下記の心配はありませんか?

①届け出が親族にバレないか?

②財産を相続できないのでは?

①について

結論から言うと、バレません

前述したように、この姻族関係終了届は本人が単独で行うことができます。更に離婚と違い戸籍に変動が生じません。

何も記載されないのです。

勿論、この届け出による通知もされません。

つまり、姻族には知る術がないのです。

②について

結論から言うと、相続は問題なくできます

例えば、死別した配偶者の両親がなくなった場合、その遺産は通常「子」である配偶者にも遺産が相続されます(兄弟姉妹がいれば人数で分割)。

その「子」が既に死亡している場合は、その「子(配偶者の両親から言うと孫)」に遺産が相続されるわけですが、姻族関係終了届は戸籍には影響がなく、あくまで姻族との関係を断ち切るだけのものなので、当然遺産を相続する権利が発生します。

ですので、堂々と遺産を受け取ることができるのです。

【まとめ】

わたしは親を介護している状態なので言えますが、普段の自分の生活をしながら介護をするのって想像以上に大変なことです。

ましてや血のつながっていない人のお世話をするというのは、非人道的と言われるかもしれませんが精神的に辛いものがあります。

辛い思いをしている人は、自分の為にも、割り切って「姻族関係終了届」を使用することも考えてみてはいかがでしょうか。

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