世界遺産だけじゃない!日本人が訪れるべき全国にある地方の遺産

富士山

世界遺産という言葉を知らない人は誰もいないと思います。これは「文化遺産・自然遺産を人類全体の遺産として考え、国際的に協力して損傷や破壊を防ぎましょう」という趣旨のもとに、1972年、第17回のユネスコ総会で採択されたものです。これに登録されると、世界各国から観光客がやってきて、その国の経済が潤うという ” 裏の顔 ” を持っているわけですが、実は日本には同じようなものとして ” 日本遺産 ” と呼ばれるものがあることをご存じでしょうか?

先日、大阪府と奈良県が共同で申請していた日本遺産候補が落選するというニュースがありましたが、ほとんど知られていない(少なくともわたしは初耳でした)日本遺産について今回敢えて書いてみたいと思います。

興味のある方は、ぜひご一読ください。

「スポンサーリンク」

【世界遺産】

日本遺産の前に、わたしたちが良く知っている「世界遺産」について、簡単に書きたいと思います。

日本の世界遺産


世界遺産として登録を進める目的は前述しましたが、これは ” 世界遺産条約 ” という条約に基づいて登録するかどうかが決められます。

外務省の発表によると、今現在世界には196か国が存在していますが、2017年現在、同条約には世界193か国が参加しており、ほとんどの国が締結している条約と言えます。

そんな世界遺産ですが、2017年現在、日本にはどのくらいの世界遺産があるかご存知でしょうか?※因みに世界では2017時点現在で、1073件(文化遺産:832件、自然遺産:206件、複合遺産:35件)が登録されています。

調べてみると、記事作成時点で登録されている日本の世界遺産は、全体の約1.9%にあたる21件が登録されています(文化遺産:17件、自然遺産:4件)。

(日本で登録されている世界遺産の一覧)

何気に今年(2017年)も新たに登録されていたんですね(宗像・沖ノ島)。全然知りませんでした。

登録手続き


躍起になって?世界中が登録を目指す世界遺産ですが、登録までには結構な時間がかかります。

まずは「世界遺産暫定一覧表」という、世界遺産にしたい候補を「世界遺産委員会」と呼ばれるところに提出します(世界遺産委員会というのは、同条約を締結している国から21か国が決められ、それらの国が提出された一覧と資料を元に、登録するかどうかを決める機関になります)。

そしてそれと同時に登録に必要な資料(顕著な普遍的価値の証明など)を準備して、「文化審議会世界文化遺産部会」という国内での会議にかけられ、そこでOKが出ると、いよいよ国がユネスコに対して推薦状を ” イコモス ” という国際非政府組織に出し、そこで審査をして晴れて登録となります。

イコモスの審査だけでも1年半はかかると言われており、申請から登録まではかるく数年はかかってしまいます。

【日本遺産】

では日本遺産とはどんなものを指すのでしょうか。

世界遺産の場合は人類共通の守るべきものとして文化や自然を保全することを目的としているのに対し、日本遺産は、” 地域の活性化 ” を主目的としています。

ポイントとなるのは、地域に点在する文化財を「ストーリー」としてパッケージ化し、「地域全体をブランド化する」というところがこの事業の方向性となっています。

例えば記事作成時点での最新の日本遺産でいうと、大分県の「やばけい遊覧~大地に描いた山水絵巻の道をゆく 」というストーリーのタイトルがつけられたものがあります。

これは、中津市と玖珠町(くすまち)という地域一体に点在する様々な文化財や、耶馬渓(やばけい)という川の浸食により生まれた特異な渓谷を中心に、庭園・石橋などの作品を回遊路でつないだ絵巻となっています。

地域という面での申請となるので、1つの自治体での申請もあれば、複数の自治体がまとまって申請するということもあります(上記の「やばけい」は複数の自治体が関わった例です→ 「シリアル型」と言います)。

認定される流れ


この申請ができるのは、各都道府県の市町村のみで、都道府県の教育委員会を通じて文化庁に提出されます(年1回文化庁が募集)。

提出されたストーリーは、日本遺産審査委員会において、下記の基準に基づいて審査されます。

【審査内容】

・内容が、当該地域の際立った歴史的特徴となっていて且つ日本の魅力を充分伝えるものであること(いちおう、日本遺産は世界にもアピールすることも踏まえているので、国の魅力として価値がないとダメなんでしょうね)

・日本遺産という資源を活かしてどのように地域を活性化していくかという具体的なビジョンがあること

・国外へアピールするための体制が整っていること

これらの基準に照らし、審査委員会のOKが出れば文化庁に回され、日本遺産としての登録がされます(審査委員会のメンバーは、大学教授から観光庁の長官、漫画家など多岐にわたります)。

認定されると、地方にとってはありがたい「交付金」が国から出ます。「文化芸術振興費補助金」というやつですね。これが独立行政法人「日本芸術文化振興会」という組織を通じて払われます。

平成29年度は、295件を対象に、34億2685万7千円が支給されています。平均すると1活動あたり1100万円程度。交付金と言うと莫大な金額が箱物に消えるイメージがありましたが、意外と芸術に関する補助金って少ないんですね。

日本遺産の数


2017年現在のところ、全部で54件が日本遺産に登録されています。

政府としては、2020年に開催される東京オリンピック開催に合わせて、東京だけでなく日本の各地へと足を運んでもらうことを目的に100件の登録を目論んでいます。

残念なことに下記の都道府県には、まだ日本遺産がありません。近畿ではわたしが住んでいる大阪が唯一登録がない・・・。

(日本遺産登録がない都道府県)

・北海道 ・青森県 ・秋田県 ・岩手県
・東京都 ・山梨県
・静岡県 ・愛知県
・大阪府
・山口県
・宮崎県 ・鹿児島県 ・沖縄県

大阪は世界遺産だけでなく日本遺産もないんですね。。。道頓堀や大阪城など全国的にも有名なところはいろいろあっても、文化遺産としては、もひとつなんでしょうか・・・。

※先日『百舌鳥・古市古墳群』が「文化審議会世界文化遺産部会」において、世界遺産の推薦候補に選ばれたので、それがうまくいけばいいんですけどね。

【まとめ】

世界遺産は、今審査が厳しくなっており簡単には登録できない状態です(勧告延期)。

日本遺産はあくまで日本で決めるものなので、審査はある意味「さじ加減」一つと言えますが、件数達成を目標とする安易な登録は、正に税金の無駄使いになってしまいます。

世界遺産よりマイナーな日本遺産ではありますが、ここにも税金が使われているんだと言うことを認識し、一度近くの遺産を訪れてみてはいかがでしょうか。

と、えらそうな事を言うわたしも行ったことがないので、休みの日に一度訪れてみたいと思います。

ページ先頭へ戻る

「スポンサーリンク」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする