警察への個人情報提供に関して(刑事訴訟法197条第2項)

個人情報を脅かすウイルス

「個人情報保護法」は、2005年に全面施行されています。かれこれ10年以上が経過し、企業もそれなりに対策はしているのでしょうが、インターネットの普及により、昔よりもはるかに大量の個人情報が漏れるようになっています。

ただ、ふと思ったのですが、個人情報ってどこまでをいうんでしたっけ?

経済産業省のガイドラインでは、氏名や生年月日などの所謂「個人」を特定するものに限らず、個人の身体や財産、職種などにも及ぶとされています。

明確なことがわからないまま、ここまで何となく過ごしてきたわたしですが、先日とある警察署からユーザーデータについての情報提供(ユーザーのサービス利用状況等について)依頼があり状況は一変。

警察からの依頼とはいえ、個人情報になるんじゃないか?と結構迷いました。

今回はそのとき調べた内容を書きたいと思います。
警察から、同じような問い合わせがあった時の参考にしていただければと思います。

「スポンサーリンク」

【個人情報保護法】

まずは個人情報保護法について簡単に。

日本では、前述したように2005年から全面施行されました。

いわゆるグローバル化が進む中で、個人の利益を侵害することへの不安を払拭すべくできたもので、世界的な流れに合わせて作られた法律です。

日本は世界に比べ色んなことが遅れてますからね・・・。

ここでいう「個人情報」とは、生存する個人であって「氏名」・「生年月日」その他の記述によって個人を特定できる(もしくは他のデータと照らし合わせて容易に個人を特定できる)ものを指します。

因みに平成29年5月30日からは同法の改正版が全面施行されています。

これによると、体の一部の特徴をデータ化したもの(例えば指紋認証データ)や、サービスの利用者や個人に発行される書類(例えば運転免許証)なんてものも「個人情報」として扱われるようになります(いわゆる「個人識別符号」というやつです)。

【警官への対応ポイント】

本題ですが、最初に電話がかかってきた時は正直ビックリしました。

別に悪いことをしているわけではないですが、「〇〇警察署の▲▲という者です」なんて言われると、なんとなく声が上ずってしまいますし、内心ビクついているいる自分がいました。

電話番号の確認

当たり前かもしれませんが、いきなり答えるのではなく相手の連絡先(電話番号と所属、氏名)を確認したうえで折り返す必要があります。

最近はオレオレ詐欺でも、警察官が出てくるぐらいですからね。

ただし、折り返すのは、ネットで調べてからです。

警察署の場合は、ネットで電話番号を入れて検索すれば、間違いなくヒットします。

ただ単に折り返しても、出た人間が嘘をつく可能性もあるので、電話番号が合っていることを確認してから折り返すようにしましょう。

嘘ではないと思いますが、今の世の中いろんな悪い奴がいます。

特に個人情報となると、勝手に情報開示し後々厄介になる可能性もゼロではないので、相手が本当の警察官であるかの確認は慎重にすべきです。

書面提出依頼

口頭では絶対ダメです。

いくらホンモノの警察からの依頼であったとしても、個人情報保護法がある限り、事業者にはそれを本人の承諾なく勝手に漏らさない義務があります。

「無理です!」と言い張っても特に罰せられることはありませんし(同条に罰則規定はありません)、警察が強制力を持って回答を強要することも許されません。

とは言え、通常は対応する方が無難ですかね、警察ですし( _ _;)

ただ、対応する際には必ず書面での依頼(照会書をもらう形)をするようにしておきましょう。

何かあった時に理由づけになりますので。

因みにこれは刑事訴訟法197条2項というものが関係してきます。

<補足>

刑事訴訟法197条2項
捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる

この条文に基づく書式は「捜査関係事項照会書(様式第48号)」というものですが、照会内容として書かれている内容については、直接帳簿や書類を提出する必要はありません。

あくまで求められている内容について、こちらの自由な形式での報告で事足ります

また書式には下記の項目が必須です。

①照会者は、所属長または所属名義とし、その名義の末尾に職印(所属長印)を押印する

②取扱者(連絡先)を記載する

③副本が作成されており契印する

これらはがない書類は不備なのできちんとしたものをもらうようにします。

内容確認・秘匿

求められる照会が何のために必要なのかを明確にしてもらう必要があります。

警察の場合は基本「捜査」だと思いますが、そのことは予め確認した上できちんと明記してもらうようにします。

また照会内容については、個人の権利や利益を不当に侵害するほどの詳細なものは必要ないと思います。

あくまで求められる必要最低限のもので事足ります。

注意すべきことは、本人にもその他関係者にも警察から捜査依頼が来ているという事を漏らさないということです。

これは同条第5項に規定されております。

「必要がある時は、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる」と法律上は規定されており、大抵は、「同条5項によりみだりに本照会に関する事項を漏らさないで下さい」的な記述がなされています。

回答しないことによる罰則がないように、こちらについても罰則はないと思われますが、この点は特に注意してください。

一人で処理しない

初めての事となると勝手もわからないと思います。

今はどこの会社も人員不足で、同僚や上司になかなか聞けない環境があったりといったこともあると思います。

しかし、勝手に進めることなく必ず同僚や上司に相談し、責任を分散させておくことは何の仕事でもそうですが必要です。

「報・連・相」は必須ですね。

【まとめ】

いかがでしょうか。

一般のお客さんを相手にする仕事の場合は、少なからず警察等の捜査機関から同様の問い合わせは来る可能性があります。

刑事訴訟法197条第2項は、覚えていて損はない条文だと思います。

ページ先頭へ戻る

「スポンサーリンク」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする