数字で見える日本の労働環境。就職するなら大企業or中小企業?

走るサラリーマン

景気の具合を見るのに「有効求人倍率」はひとつの指標になりますが、平成30年1月における有効求人倍率は、なんと1.07という数字になっています。しかもこれは正社員における調査結果。
今は、仕事さえ選ばなければ、ほぼ全員が正社員になれるという時代だということです。

今は売り手市場なので、労働者側には有利な時代。

ただ、今は大企業でも潰れかねない不安定な時代でもあり、どういった基準で就職先を選ぶかは難しいところです。

そこで今回、厚生労働省が実施している「労働者健康状況調査」という資料を基に、大企業や中小企業における労働環境についての現実を書きたいと思います。

ポイントは全部で下記の4つ

●残業時間数

●メンタルヘルス

●ストレスチェック

●受動喫煙

これから就職しようとする方や、転職を考えてる方は、この記事で書いてある

大企業と中小企業の現実

を見てみて就職先を違った目で見てはいかがでしょうか。

<補足>

労働者健康状態調査

これは労働者の健康状況、健康管理の推進状況を把握し、労働者の健康確保対策、自主的な健康管理の推進等労働衛生行政運営の推進を目的として行われています。

昭和41年(今から約50年前)から行われているもので、現時点での最新の資料は5年前の平成24年に実施されています。

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【平均的な残業時間数は?】

強制的に働かされる人

家計の為には致し方ない残業ですが、できることならしたくないのが大方の意見だと思います。

では、現実を見てみましょう。

下表(平成24年のある月のものです)は、従業員数における規模別の残業時間数を表したものです。

全体の約15%にあたる企業が過労死ラインと言われている「80時間以上の時間外労働」をしているのがわかりますね。

従業員数と残業時間の関係表

興味深いのは、大企業になればなるほど長時間労働の傾向があるということ。

大企業ほど、世間体を気にして「無茶はしない」というイメージをもっていましたが現実は違うようです。

「医師の面接指導」認識と実施の差

ある一定の時間数以上残業を実施した企業は、医師による面接指導を実施することが日本では定められています。

月100時間を超える → 義務化

月80時間を超える → 努力義務

努力義務という表現がいかにも日本的でわかりにくいですが、ここで注目すべきは、長時間労働者に対する医師の面接指導が必要であることを知っている企業が、全体の6割弱だという現実です。

そして恐ろしいことに、小さな企業であればあるほど医師の面接指導が必要であるという認識がないという結果。

下表を見てください。

面接指導の認識に関する結果

大企業は流石に認識率100%ですが、わたしのいるような中小企業の場合は、半分程度しか実施に対する認識がありません。

ただ、そんな大企業でも「認識」されていることと「実施」されていることはイコールではありません

面接指導の実施状況

どうでしょう。

実際に認識はしていても実施に至らないケースが多々ある事がお分かりいただけると思います。

実施していない理由は、やり方がわからないとか、時間がないとか色々あるようですが、特に中小企業の場合は経費がかかってできないということもあるように思います。

ただ、残業時間の増加はやがて精神面に悪影響を及ぼし、「鬱」を発症させる原因になることが指摘されています。

法改正が行われると現場の人間は大変ですが、長時間労働は百害あって一利なし。

最悪の場合自ら命を絶つ選択もあり得ます。

残業時間数について、企業側はもっと意識を高く持ってほしいものです。

【メンタルヘルスに関するフォロー体制】

健康な人間

メンタルヘルスとは「精神面における健康」の事を指します。

いわゆる「鬱」に関わるところでしょうか。

全体としては調査対象の8%ほどの会社において該当者がいるという回答です。

下表は、メンタル不調により連続して1か月以上職場を離れ、もしくは退職した人がいる割合を表します。

休業・退職した人に関する情報

人数が増えれば、それだけメンタル不調になる人も増えますが、ここで注目すべきは、

復帰できたかどうかです。

5000人以上の労働者を抱える大企業では、メンタル的な不調により職場を長期間離れても、復帰できる環境がほぼ100%です。

これに対し、中小企業では半分の人間が、復帰できずにそのまま職場を離れています。

これは下表を見てもわかります。

下表は、メンタルヘルスに取り組んでいる会社の割合を表したもの。

メンタルヘルスケアに参加している企業の割合

大企業ではメンタルヘルスケアに取り組んでいる割合が高いことがわかります。

規模が大きくなると異なる部署への復帰もなくはないですし、結婚や妊娠などで職場を辞めざるを得なかった人にとっても企業側が柔軟な対応をしてくれるなど大きなメリットがあるのでしょう。

片や規模が小さな企業は、もともと人数が少ないことから欠員はすぐに募集しなければならず、復帰する席がなくなることがあり復帰の妨げとなっているのかもしれません。

ケアの具体的な実施内容としては、労働者や管理者への教育研修や情報提供、メンタルヘルスケア窓口の設置などが行われています。

当然わたしの勤めている企業のような中小企業にはそんな概念は存在しませんが。。。

それでも、年々企業の意識も高くなりメンタルヘルスに取り組む企業の割合は増加傾向にあるようです(とはいえ全体の半分にも満たない状況です。必要性を感じていないと回答する企業も半数あります)。

(参考:メンタルヘルスに取り組む企業の割合)
平成19年           33.6%
平成23年           43.6%
平成24年   47.2%

【ストレスチェック実施の現実】

締め切り文字

2015年12月から、50人以上の労働者がいる企業では、毎年1回ストレスチェックを実施することが義務化されています。

この結果は所定の形式で労働基準監督署に届け出る必要があり、必要に応じて、前述した「面接指導」を行う必要があります。

これはまだ始まったばかりの制度ですので仕方ありませんが、是非とも企業規模に関わらず実施してほしいものです。

平成24年時点ではまだ義務化はされていませんでしたので、当時の状況は下表の通りでしたが、大企業は 中小企業に比べ” 労働環境 ” に対する意識が高いですね。

従業員数に占めるストレスチェックを行っている企業の割合

今は、調査した平成24年から5年以上たっているので、この割合もグッと上がっていると思います。

とは言え、わたしの職場にそんなものは微塵もありませんが。。。

因みにこの結果は5年間事業所で保管することになっています。

【受動喫煙に対する対策】

火の付いたタバコ

受動喫煙防止に取り組んでいる企業の割合は、企業全体の8割近くあります。

町中にある飲食店でさえも、お昼のランチ時は禁煙にしているところも多く、喫煙者にとっては厳しい時代と言えますね。

吸わない人からすると、あのタバコのにおいは耐え難いものがあります。禁煙スペースが職場でも増えてくるのは時代の流れでしょう。

これに関しても、基本的には大企業ほど労働環境に対する策が講じられています。

受動喫煙に取り組んでいる企業の割合

受動喫煙については、規模が小さな中小企業でも8割近くが対策を取っているので、全体的に企業側の意識が高い問題と言えます。

<補足:受動喫煙により肺がんのリスク>

2016年8月31日に発表された「国立がん研究センター」の研究結果では、受動喫煙により、肺がんになるリスクが上がる(約1.3倍)という結果が報告されています。

国会では飲食店での喫煙を完全に禁止にすると売り上げが下がるという競争力のない飲食店からの要望を取り上げて、骨抜きになりかねない状況ではあります。

そういえば最近は、 ” iQOS(アイコス) ” 、 ” glo(グロー) ” 、” Ploom TECH(プルーム・テック) ” といったいわゆる「加熱式タバコ」が増えてきていますね。

健康被害について、加熱式タバコを発売している ” とあるメーカー ” からは、加熱式タバコの方が紙タバコよりも有害物質が少ないという調査報告を発表していますが、まだ始まって少ししか経っていないものを、どこまで信用できるでしょう?

「日本禁煙学会」という組織では2017年7月に緊急警告として「加熱式電子タバコの危険性」についてホームページ上で発表しています。

書かれていたことは、「普通の紙タバコと成分が変わりませんよ」というものでした。

害がないということはないという事ですね。

【まとめ】

いかがでしょうか。

長時間残業があった場合に医師の面接が必要であるとか、ストレスチェックが必要であるなんてことを知らなかった人も多いのではないでしょうか。

今は、働き方改革が進んでいるので、これを機に更に大企業だけでなく中小企業にも、労働環境に対する意識が広まってほしいものです。

大企業は長時間労働の傾向が高いが、フォロー体制(労働環境)は恵まれている、中小企業は労働時間は大企業ほどではないが、労働環境はあまり良くない(あくまで割合の問題ですが)。

就職・転職する際に、企業規模にとらわれず、今回書いたような労働環境に関する視点で選んでみるのも、長く働く上では必要なことではないでしょうか。

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